Un conte á votre façon

あなたまかせのお話 (短篇小説の快楽)

あなたまかせのお話 (短篇小説の快楽)

日本初の短篇集。

 収録作品
・「運命」
・「その時精神は……」
・「ささやかな名声」
・「パニック」
・「何某という名の若きフランス人 I、II」
・「ディノ」
・「森のはずれで」
・「通りすがりに ある悲劇に先立つ一幕、さらに一幕」
・「アリス、フランスに行く」
・「フランスのカフェ」
・「血も凍る恐怖」
・「トロイの馬」
・「エミール・ボーウェン著『カクテルの本』の序文」
・「(鎮静剤の正しい使い方について)I、II」
・「加法の空気力学的特性に関する若干の簡潔なる考察」
・「パリ近郊のよもやまばなし」
・「言葉のあや」
・「あなたまかせのお話」
・「夢の話をたっぷりと」
・「附録 レーモン・クノーとの対話」

『文体練習』も『地下鉄のザジ』も読んでないから偉そうなこと言えないけど、この本に限って言うと、クノーは全く口に合いませんわ。
異色作家短篇集で読んだ「トロイの馬」は割と好きだったんで、ああいうのばかりなのを期待したら、ほとんどが物語以前に、文章にもなっていないような作品が多数。
どんなに短くても物語を求めちゃう人間としては、この手の作品は本当にダメ。
これが味わえる脳に生まれなかったと思って諦めます(笑)
というか、もしかして、実験文学って原語で読まないと意味なくない?


その中でも、辛うじて楽しめたのは、「ささやかな名声」「血も凍る恐怖」「トロイの馬」「加法の空気力学的特性に関する若干の簡潔なる考察」「あなたまかせのお話」あたり。
特に「あなたまかせのお話」はまさにゲームブックの始祖。
後ろ半分はラジオ対談。