THE NIGHT TOURIST

ぼくは夜に旅をする

『ぼくは夜に旅をする』キャサリン・マーシュ〈早川書房〉
アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀ジュヴナイル賞作品。

ラテン語と古典が得意で、人付き合いが苦手な14歳のジャックは、交通事故を機に、奇妙な体験をするようになる。診察のために訪れたニューヨークは、グランドセントラル駅でユーリと名乗る少女に出会う。彼女に誘われるまま、駅の地下9階に向かうと、そこは死者の世界だった！　死者たちは、生きている人間と同じように生活しているのだ。ジャックとユーリは、ジャックが幼い頃に亡くなった母を探すことにする。しかし、ケルベロスを連れた恐ろしい番人が、生者であるジャックを追い始めていた……

普通にジュヴナイル、と言う感想しかないなぁ。
初恋、冒険、失恋、新たな出会いの青春の物語……ではなく、擬似的死というイニシエーションを、文字通り死者の世界を通過する物語とし構成し、試練、別離を乗り越えて、新たなステップへと成長する、と読んでしまうのは汚れたちまった証拠？（笑）
死者の世界の描写自体はそれなりに楽しいんだけど、初めの方に出てきた同級生の女の子とか、地図を探していた男が使い捨てなのがもったいないなぁ。続刊しているみたいだから、出てくるのかな？　ラストはちょっとしんみり。
ところで、思いっきりファンタジーだと思うんだけど、アメリカ探偵作家クラブ賞の基準って何？