BLOOD AND SOAP

『血液と石鹸』リン・ディン〈ハヤカワepiブック・プラネット〉
ベトナムアメリカ人の小説家兼詩人の短篇集。

 収録作品
・「囚人と辞書」Prisoner with a Dictionary
・「わが国北の果ての知事」Our Northernmost Governor
・「“!”」”!”
・「隠された棺桶の町」The Town of the Hidden Coffin
・「もはや我らとともにない人々」Those Who Are No Longer with Us
・「私たちの新郎新婦」Our Newlyweds
・「八つのプロット」Eight Plots
・「一文物語集」One-Sentence Stories
・「本を持ち歩く男」Man Carrying Books
・「ベトコン大学」Viet Cong University
・「エルヴィス・フォンは死んだ!」Elvis Phong Is Dead!
・「飛行機に乗る」A Plane Ride
・「浮かぶ共同体」A Floating Community
・「キーワード」Key Words
・「13」13
・「食物の招喚」Food Conjuring
・「食物の招喚Ⅱ」Food Conjuring II
・「$」$
・「幸福な夫婦」A Happy Couple
・「この蟻たち」These Ants
・「道徳的な決断」A Moral Decision
・「ごく狭い空間」Tiny Space
・「自殺か他殺か?」Murder or Suicide?
・「負け犬」Losers
「非常階段」The Five Escape
・「ただいま上映中」What’s Showing?
・「二人のインテリ」Two Intellectuals
・「スチュアート・クレンショー」Stewart Crenshaw
・「家をめぐる観念」An Idea of Home
・「コスタ・サン・ジョルジョ」Costa San Giorgio
・「シーニャの自画像画家」The Self-Portraitist of Signa
・「ルイーザは夫を愛している」Luisa Loves Her Hasband
・「パルミジャーノ・チーズ」Palmigiano Cheese
・「美の崇拝者」A Worshipper of Beauty
・「移動爬虫頬展示会」A Moving Exhibition of Reptiles
・「二人の王」Two Kings
・「人と違っていたわが祖父」My Grandfather the Exceptional

偽名を使って、ベトナムからアメリカに脱出してきたという過去もあるのか、言葉=世界、言葉の強制力、言葉を識ること自体が現実以上の現実を創造する、と言うような作品が多い。
また、ベトナムを自虐的に書いているのも特徴。「ベトコン大学」とか「エルヴィス・フォンは死んだ!」はイタイよ(笑)
一つ一つが短くて、あらすじが書けないけど、個人的お気に入りは「囚人と辞書」「“!”」「隠された棺桶の町」「一文物語集」「この蟻たち」「道徳的な決断」「ただいま上映中」あたり。
変な話ばかりなので、異色・奇想系読みにオススメ。


それにしても、SFMミスマガ、モンキービジネス、とお試しのように1作ずつ掲載されていて、推してるなぁ。