THE CITADEL OF THE AUTRACH

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『独裁者の城塞』ジーン・ウルフ〈ハヤカワSF1672〉
新しい太陽の書〉最終巻!

ペルリーヌ尼僧団を追って北部へやってきたセヴュリアンは、いつしか共和国とアスキア人との紛争地帯に奥深く入りこんでいた。戦場を彷徨ううちに、共和国軍の一員として戦闘に参加することになったセヴュリアンだったが、重傷を負い倒れてしまう。やがて深い静寂の中で覚醒したセヴュリアンの前に〈独裁者〉が現われ、彼の新たな役割と〈新しい太陽〉の到来を語るのだった……

名作、歴史的作品、とどこを見ても言われてるから、何とも書きにくいんだけど、正直、面白いのか凄いのかもわかりませんでした!
解説を読むと、確かに、最後まで読むことによって明らかにされる仄めかし、浮かび上がってくる真実は、発見の喜びを与えてくれそうなんだけど、もう一度4冊を再読して、読み解く根気と体力は残ってません……。深読み推測ゲームは「アメリカの七夜」で精一杯。
1年ぐらいしたら、解説サイト見ながら読むかも。


エピソード、おつかいクエストの積み重ねで、軸となる物語が見えにくく、気づくと終わってる始末。
これは、ヘラクレスの12の功業のような神話として書いているのかな? キリストを思わせるようでもあるし、貴種流離譚でもあるし。


物語は、完全記憶を持つセヴェリアンの自叙伝という形になっている。しかし、お約束どおり、この語り手が信用できず、完全記憶にもかかわらずぼやかされていたり、また記憶、別の人格の記憶、作中作、思想が畳まれているから、そこをほぐして読み解いていくのが楽しみ方かな。セヴェリアンと同じように完全記憶がないのなら、人名辞典は必須かと(笑)
また、これを訳しているG・Wは一体いつの人間なのか? それも罠?


イマイチ面白さがわからなかったというものの、表面をさらっただけでも色々と妄想させるんだから、深読みしたら「本当に」面白く読めるような気がしてくる。


表紙が、どっかの死神みたいになってるね(笑)