THE PRIVILEGE OF THE SWORD

剣の名誉 (ハヤカワ文庫FT)

剣の名誉 (ハヤカワ文庫FT)

『剣の輪舞』*1の続編

田舎貴族の娘キャザリンは、都に住む伯父から、借金と引き替えに来るように招かれる。喜ぶキャザリンだったが、〈狂公爵〉として知られる伯父から命じられたのは男装と剣術修行。嫌々ながらも訓練を始める彼女だったが、次第に剣客として成長し、親友の名誉を賭けて貴族へ決闘を申し入れるまでに。その裏では伯父を狙う陰謀が……

『剣の輪舞』の18年後、『王と最後の魔術師』に脇役として出来たキャザリンの少女時代の物語。
男装の少女剣士は『リボンの騎士』を思い起こさせるし、いい味出してるアレクはカリビアンのジョニー・デップのイメージ、駒田絹のカバー絵もすっかり馴染んだのに、性の目覚め、女の子同士の疑似恋愛的ストーリーなので、志村貴子絵に脳内変換(笑)。高槻さんにしては、キャザリンは髪が長いか。
『剣の輪舞』と『王と最後の魔術師』の間の物語として、キャラクターたちのプロフィールに説得力がある。
これまでがBL的、今回は女の子が主人公なのに、ジェンダー臭がしないのは、エレン・カシュナー自体が同性婚してるからかな? ファンタジーとして割と自然に読める。
10年後くらいのキャザリンも読んでみたいなぁ。