ARROW’S FLIGHT

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『宿縁の矢』マーセデス・ラッキー中央公論社ら1-2〉
THE HERALDS OF VALDEMAR 三部作の第二巻

正式に〈使者〉となったタリア。指導官とクリスとともに北の国境地帯へ向かう。比較的簡単な任務になるかと思いきや、タリアの〈天恵〉に関する不穏な噂が彼女を悩ませ、二人の間に溝を作り出してしまう。さらに、タリアは自分の〈天恵〉も制御できなくなり、そんな危険な状態のまま、二人は猛吹雪に閉じ込められてしまう……!

登場人物はほとんどタリアとクリスだけなので、二人のやりとりはじっくり読むことができる。タリアの〈天恵〉を取り戻すための訓練、お互いの想いへの戸惑い、吹雪の中のサバイバル。ただ、困難を乗り越えて以降が、ちょっと早足の印象。もうちょい、〈使者〉の仕事そのものの描写も見たかった。
THE MAGE WINDS三部作も寸足らずな印象で、ペース配分が苦手なのか?
生涯の絆を結ぶ愛情と肉体関係は全く別、という倫理観が結構面白い。
第三巻は、THE MAGE WINDSに直結してくるエピソード。中公は半年おきくらいに出してくれるので、楽しみ。