ANATOMY OF FEAR

[rakuten:book:12615568:detail]
赤と黒の肖像』ジョナサン・サントロファー〈早川書房
イラスト多数、二色刷という体裁にそそられて着手。

人種も、凶器も違う殺人事件。関係がなさそうな事件だが、しかし、そこには被害者の死体を描いたスケッチがピンで留められていた。担当するテリ・ルッソ刑事は、新たな発見を期待して、似顔絵アーティストのネイト・ロドリゲスを呼び寄せる。彼は特殊な才能で犯人のそっくりな似顔絵を描き、いくつもの事件解決に貢献してきたのだ。ネイトはスケッチから犯人の心理を感じ取っていくが、彼にも魔手が!

著者によるイラストが多数収められていて、イメージは掴みやすいんだけど、別にあってもなくてもたいしてかわらなくない? 『まやかしの風景画 (ミステリアス・プレス文庫)』みたいな必要性は感じられないんだよなぁ。
内容は普通のミステリ……平均よりちょっと落ちるか?
主人公の能力はいいとして、犯人がなぜ絵を描くのか、イマイチ説得されないまま終わってしまった。描いてる姿やなんで描けるのか、そういう造形があればよかったのに。
メインとは別に進行する別の事件も真相がはっきりしないまま終わっちゃうし、全体的に薄味だし、シリーズ化を考えているのかもしれないけど、これはこれで終わらせて欲しかった。