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『ラジオ・キラー』セバスチャン・フィツェック〈柏書房
前作『[rakuten:book:12079749:title]』がアタリだったので着手。

犯罪心理学者でベルリン警察の交渉人イーラは、娘の自殺を止めれなかったことを悩み続け、自身の命も絶とうとしていた。しかし、その朝、ラジオ局で起きた立てこもり事件に引っ張り出されてしまう。犯人は、無作為にラジオコールをして、決められた合言葉を言わなければ一人ずつ人質を殺すと言うのだ。しかも、彼の要求は事故死した婚約者を連れて来いという不可解なものだった。犯人との交渉を始めるイーラだが、彼は執拗に彼女の娘について訊いてくる。イーラは明かしたくない過去を公共の電波に乗せざるを得なくなる……

前作もそうだったし、あらすじから、サイコさんの殺人ゲームかと予想していた内容とは全く違うストーリー。
二転、三転、どんでん返しの連続。相変わらずリーダビリティはすこぶるよく、サービス満点の一気読み。
目まぐるしい場面展開にもかわらず、キャラクター造形はなかなかよくできていて、中でも、アル中で自殺願望があり、嫌な上司から不可解な介入を受けながらも奮闘するイーラが魅力的。美人と言う表現が繰り返し出て来るわけでもないのに、常に悩み、疲れているんだけど美しく感じられるのがうまい。
エンターテインメントとしてオススメ。