銀輪の覇者

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『銀輪の覇者』斎藤純〈早川書房
続けてロードレースもの。

昭和9年、前代未聞の本州縦断自転車レースが開催される。多額の賞金を狙って、チーム、個人と参加人数は200名以上。個人ではチームには勝てない。そこで、自転車レースに造詣が深い響木は、同じように個人出場の越前屋、小松、望月を誘って即席のチームを作る。しかし、各々思惑を秘めている様子。さらにはレースの背後には、軍部、警察、賭博、さらには新興宗教も潜んでいて……

面白いことは面白いんだけど、陰謀と思惑ありすぎ(笑)
それまで散りばめられてきたエピソードが、残り3分の1くらいになって一気に明かされていくから、物凄い駆け足感。ちょっと詰め込みすぎで、一つ一つもなんか呆気ない。ただ、コースも峠になっているから、下りの疾走感と相まって、けっこう興奮する。でも。あと50ページくらいあってもよかったかも。
個人的には、鶴岡、日沖みたいなレーサーとしてエピソードをてんこ盛りにして欲しかったけどね。レースを利用しているだけで、レースそのものの思惑は少ない印象なんだよな〜