BLOOD RUNS COLD

血は冷たく流れる (異色作家短篇集)

血は冷たく流れる (異色作家短篇集)

『血は冷たく流れる』ロバート・ブロック〈早川書房 異色作家短編集8〉
これで、とりあえず異色作家短編集は全部読んだかな?

 収録作品
・「芝居をつづけろ」The Show Must Go On
・「治療」The Cure
・「こわれた夜明け」Daybroke
・「ショウ・ビジネス」Show Biz
・「名画」The Masterpiece
・「わたしの好みはブロンド」I Like Blondes
・「あの豪勢な墓を掘れ!」Dig That Crazy Grave!
・「野牛のさすらう国にて」Where the Buffalo Roam
・「ベッツィーは生きている」Is Betsy Blake Still Alive?
・「本音」Word of Honor
・「最後の演技」Final Performance
・「うららかな昼さがりの出来事」All on a Golden Afternoon
・「ほくそ笑む場所」The Gloating Place
・「針」The Pin
・「フェル先生、あなたは嫌いです」I Do Not Love Thee, Doctor Fell
・「強い刺激」The Big Kick

古い作品が、即、つまらないとは言わない。けっして面白さが減じない作品もあれば、それがいい味に転化しているのもある。
けれど、これはちょっと古びちゃってるかなぁ。
オチの一行が好みの作品は多いんだけど、途中で割れちゃうし、そこからラストに至るまでが、今読むと古いんだよねぇ。


お気に入りは、
・「治療」
 金儲けのためにアマゾンにやってきた男たち。
 仲間の女を病院に連れて行くため、一人が街まで出かけることになるが……
 最初の方に出てくる割注でオチが読めちゃったよ……
 ミイラ好きとしては、一応挙げときます。


・「名画」
 ルーブルに飾ってある絵を描いていたという老人。
 彼はそのモデルの女性を愛していたのだが、彼女は他の絵描きと駆け落ち。
 彼がとった復讐の手段は?


・「最後の演技」
 ハリウッドに向かう作家。
 途中で車が故障し、モーテルに泊まることにする。
 その老主人は、若い頃芸人をやっていたらしい。
 そこにいた少女は、彼は狂っていて、自分をハリウッドに一緒に連れて行って欲しいと言う。
 個人的にはこれが一番よかったかな。
 早見純の漫画を思い出してしまった……


・「ほくそ笑む場所」
 暴漢に襲われ、助かった少女。
 彼女は一躍周りから注目される。
 しかし、大きな事故が起き、彼女は目立たなくなってしまう。
 すると今度は……


・「強い刺激」
 刺激的な生活がしたくて、ビート族と付き合う女性。
 金づるとして、地味な男性とデートをするのだが……
 これもオチが予想外で面白かったかな。