THE HAUNTING OF HILL HOUSE

山荘綺談 (ハヤカワ文庫 NV 18 モダンホラー・セレクション)

山荘綺談 (ハヤカワ文庫 NV 18 モダンホラー・セレクション)

『山荘綺談』シャーリイ・ジャクスン〈ハヤカワNV18〉
シャーリイ・ジャスン週間第2弾

哲学博士モンタギューが幽霊屋敷研究のために選んだ家は、小村ヒルズデールの奥深い森に固まれ、80年間立ちつづけてきた〈山荘〉だった。その実験に招かれたのは、カード当ての名人セオドラ、かつて、家の中に小石がふりそそぐポルターガイスト現象を体験したことがあるエリーナー、そして 〈山荘〉の持ち主の甥のルークの三人。やがて、エリーナーのまわりに壁をたたくような不思議な物音が聞こえはじめ、ついには惨劇が……迫り来る恐怖を描くサイコ・ホラーの傑作

上は文庫のあらすじを引用させてもらったんだけど、ここから受け取るイメージと、実際読んだ印象がこういう形で違う小説も珍しいなぁ。


村人がなんで山荘を毛嫌いしているのか、山荘そのもののいわくも、ほのめかし程度。本当に幽霊はいるのか、そもそも幽霊研究の実験自体、あまり出てこない。また、山荘がエリーナーに影響を与えているのか、その逆なのか、それら全てがはっきりせず、上のあらすじから期待されるような怪奇現象との対決を期待するとかなり肩すかし。でも、ひじょうに嫌な小説。
微妙に傾斜をつけて建てられているという屋敷の構造のように、読書中は何か不安定。企画と建物の持ち主であるはずの男の存在感は弱く、何も持っていない女の妄念が息苦しい。
映画版『シャイニング』(原作読んでません……)とイメージが被るなぁ。ラストの1行とか。


話は違うけど、昔見た幽霊屋敷物の映画。
やはり、幽霊研究かなんかで乗り込んでくる。ラストは、地下室だか、隠し部屋だかに、車椅子(ただの椅子?)に座った死体が見つかって、それが怨念の元だったと判明する。
実は、ずっとこれが『たたり』だと思ってました。オチが全く違うよな〜。知ってる人います?