FLYING LEAP
- 作者: ジュディ・バドニッツ,岸本佐知子
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2007/02/22
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 38回
- この商品を含むブログ (55件) を見る
収録作品
・「犬の日」Dog Days
・「借り」Guilt
・「秋冬ファッション・カタログより」Scenes from the Fall Fashion Catalog
・「道案内」Directions
・「チア魂」Got Spirit
・「アートのレッスン」Art Lesson
・「イェルヴィル」Yellville
・「アベレージ・ジョー」Average Joe
・「飛ぶ」Flight
・「作曲家」Composer
・「公園のベンチ」Park Bench
・「百ポンドの赤ん坊」Hundred-Pound Baby
・「本当のこと」What Happened
・「お目付け役」Chaperone
・「バカンス」Vacation
・「スキン・ケア」Skin Care
・「産まれない世界」Barren
・「レクチャー」Lessons
・「電車」Train
・「パーマネント」Permanent Wave
・「ブルーノ」Bruno
・「焼きつくされて」Burned
・「ハーシェル」Hershel
これは当たり。表紙と題名に釣られた人は痛い目見ます(笑)
確かにマコーマック好きなら、と薦められるわけだ(笑)『トラウマ・プレート (Modern&Classic)』にもちょっと似てない?
「道案内」は『紙の空から』で既読。この作者だとは、全く気づかず。
23の短篇が収められているんだけど、どれも面白い。
意地悪さが生理的嫌悪感にまで高められ、そこにたっぷり妄想のデコレート。素晴らしい。
出オチに近い一発ネタの短篇ばかりなんだけど、それでも世界の広がりを感じる作品が多い。
ホントにみんないいんだけど、あえて、お気に入りを選ぶなら、
・「犬の日」
戦争(?)により、荒廃しつつアメリカ。
ある日、犬の着ぐるみを着た男が軒先にやってくる。
妻と娘は、それを本物の犬のように扱うのだが……
ラストは笑っちゃいます。
・「借り」
母が心臓病で倒れる。
移植が必要なのだが、叔母たちは、親のために、あなたの心臓を出しなさいと言う……
これが一番気持ち悪かったかなぁ。後味悪すぎて笑っちゃう。
・「イェルヴィル」
娘がボーイフレンドを連れてくる。
しかし、彼が話す故郷は、まるで嘘のような話で……
食卓の空気を想像するといたたまれなくなる。
「貴方の心をです」て感じ?(笑)
・「飛ぶ」
昔の女たちは優雅に飛び降りた。
しかし、今は……
・「お目付け役」
姪のデートにお目付役としてくっついてきた叔母。
姪たちは二人きりになりたがってるのだが、彼女は許そうとしない。
ラストはやはり意地悪だなぁ。
・「スキン・ケア」
謎の病気により、皮膚がどんどん塵のように落ちていく妹。
彼女は姉に会いに来て欲しいと頼むが……
病気そのものよりも、姉の反応が気持ち悪い。
・「レクチャー」
新任教師に説明される、学校での決まり。
・「電車」
同じ車両に乗り合わせた人々のプロフィールをどんどん妄想……
・「ハーシェル」
赤ちゃん作りの名職人の物語。