SF奇書天外

SF奇書天外 (KEY LIBRARY)

SF奇書天外 (KEY LIBRARY)

『SF奇書天外』北原尚彦〈東京創元社キイ・ライブラリー〉読了
S-Fマガジンで連載していたコラムの増補単行本化。
題名のとおり、SF奇書を紹介した本。出版事情の傾向もある程度透かし見えて面白い。自費出版は本当に増えてるのね。
ほとんど日本人の作品で、全く守備範囲外なんだけど、それでも、この手の古本情報を見せつけられると、何やらもやもやと蒐集熱が高まってくるのが古本者のサガ。
海外作品の紹介は少なく、けっこう持ってるものが多かった。惑星からきた伊達男シリーズは読もうと思ってたけど、もういいや(笑)。個人的には『SF万国博覧会 (寺子屋ブックス)』の方が座右の書。
人から探し物を頼まれると、興味がなかったのに自分もそれを欲しくなってしまうというのは、鹿島茂の文章にも出てきたな。これは全く同感で、元々欲しがってた人間より先に見つけて悦に浸るだけで読まないんだよね。本当に古本オタクは人間としてダメです(笑)
作品の紹介より、それを見つけたときの喜び、経緯、落胆についての方が面白い……という説明に首肯された方には是非オススメ。


一つ気になったのが、『悩みのスーパーヒーロー』の紹介のところで、「21世紀になって復刊されて……」という下り。これ、なんのこと? 『悩みのスーパーヒーロー』は復刊されてないし、『WATCHMEN 日本語版 (電撃コミックス)』も(今のところ)復刊してないよなぁ。それとも、原著? でも、Amazonでは買えたし、愛蔵版は出たけど……。う〜む。