The Phantom of the Essoldo and Other Stories

エソルド座の怪人 アンソロジー/世界篇 (異色作家短篇集)

エソルド座の怪人 アンソロジー/世界篇 (異色作家短篇集)

『エソルド座の怪人 アンソロジー/世界篇』若島正・編〈早川書房 異色作家短編集20〉読了ついに、これでおしまい。
長いようで、あっという間の2年。楽しませてもらいました。

収録作品
・『容疑者不明』……ナギーブ・マフフーズ
・『奇妙な考古学』……ヨゼフ・シュクヴォレツキー
・『トリニティ・カレッジに逃げた猫』……ロバートソン・デイヴィス
・『オレンジ・ブランデーをつくる男たち』……オラシオ・キローガ
・『トロイの馬』……レイモン・クノー
・『死んだバイオリン弾き』……アイザック・バシェヴィス・シンガー
・『ジョヴァンニとその妻』……トンマーゾ・ランドルフィ
・『セクシードール』……リー・アン
・『金歯』……ジャン・レイ
・『誕生祝い』……エリック・マコーマック
・『エソルド座の怪人』……G・カブレラ=インファンテ

最終巻は世界編。
一番、バラエティーに富んでたかな?


お気に入りは、
・『容疑者不明』
 エジプトで、手がかりが全くない殺人事件が起きる。
 被害者は増え、どんどん無差別になっていき……
 「奇妙な話」だと、これが一番変な話でよかったかな。
・『オレンジ・ブランデーをつくる男たち』
 オレンジ・ブランデーを開発し、一山当てようとする男たちの、熱に浮かされたような物語。
・『トロイの馬』
 酒場の男女に話しかけてきた馬。
 一緒に飲もうと、しつこく誘ってきて……
 ツッコミどころ、そこ!?(笑)
・『死んだバイオリン弾き』
 熱心なユダヤ教徒の男。
 その娘に、ある日バイオリン弾きの霊がとり憑く。
 何とか追い出そうとするが、今度は娼婦の霊が……
 着地点がなかなか見えてこず、その迷走した感じがなんとも楽しかったです。
・『金歯』
 金持ちの墓場から、金歯を盗むことを生業にしている男。
 ある日、一人の女性に恋をする。
 彼女と結婚を考えるが、そのときから何者かに墓を先回りされ……
 オーソドックスだけど、結構好きです。
・『誕生祝い』
 どこかに向かっている男。
 モーテルに到着すると、そこには裸の女が……
 アンソロジー編では、これが一番楽しみにしてました。
 いや、マコーマック! という感想しか(笑)
 もっと読みたい欲求不満になる〜