THE OLD DICK
- 作者: L.A.モース,石田善彦
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1983/09
- メディア: 文庫
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虐げられしもののオススメだったので着手。
なかなかの腕を持っていた私立探偵のジェイクも、今ではちょっと走れば息切れしてしまう78歳の老人。
公園でペーパーバックを読むだけの日々だが、ある日、以前刑務所に送ったサルが彼の前に現れる。
サルは今ではギャングから足を洗っていたのだが、孫のトニーが誘拐され、身代金を要求されており、その受け渡しに、一緒についてきて欲しいというのだ。
断ろうとするものの、かつてのくすぶりを抑えられないジェイク。
結局、受け渡し場所に向かうが、何者かに殴られ金を奪われてしまう。
犯人を捜し、金を取り戻そうとするが、昔の仲間によれば、サルは何年か前に死んだという……
はたして、事件の真相は?
面白かったけど、ちょっと期待と違ったなぁ。
もっと、いまだにタフガイ探偵を気取っていて、痛々しいのを期待してたんだけど、けっこう普通にタフ(比較的)で皮肉屋で、頑張っちゃうんだよね。まぁ、将来、こんなじいさんになってみたいものです。
かつての仲間の警官も、美人の情報屋も、悪党さえも年老いちゃってるのは、ある種ファンタジックでよかったんだけど。
「夜はグリーン・ファルコンを呼ぶ」に比べるとイタさというか、ある種の滑稽さが足りなかったか…
じいさんの頑張り具合も、『ダークナイト・リターンズ』の方が強烈だしなぁ。
じいさんヒーローものは、ヴィジュアルがあった方が面白い気がする。
個人的には、タール・ピッツの連中にもっと活躍して欲しかった。あのアパートの設定をあれだけで終わらせちゃうのはもったいない。
あと、ラストの追跡劇はいいなぁ。短くて(おじいちゃんだから)