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虐げられしテクラ―暗殺者ヴラド・タルトシュ (ハヤカワ文庫FT)

虐げられしテクラ―暗殺者ヴラド・タルトシュ (ハヤカワ文庫FT)

『虐げられしテクラ』スティーヴン・ブルースト〈ハヤカワFT419〉読了
待望の第三巻!

ある夜、ヴラドの家に男が訪れてくる。
それはカウティの知り合いで、仲間の一人が殺されたと言う知らせだった。
彼女は、東方人とテクラによる革命組織の一員だったのだ!
どうやら、殺し屋を雇ったのは、ジャレグ家の組織らしい。
妻の身を案じ、必要ならば、革命組織を崩壊させてでも、彼女を守ろうとするヴラド。
しかし、カウティの意志は固く、愛を取るか、信念を取るか、ということになり……

1巻の数週間後の話。
今回はかなり重い、と言うか、爽快感がない。
今までと違って、計画を立てて、仲間とともに遂行する感じが薄い。
それも、妻を守るというプライベートな理由で自ら巻き込まれ、
さらに自分のアイデンティティを迫られるため、ヴラドはいつものように自由に動き回れない。
その状況でヴラドはどう闘うか、ということなんだけど、
なんか常に口論しているようなイメージで、結構息が詰まる。
ヴラドも自分が間違っているかもしれないと思いつつ、カウティを守るために反論するから、
どうも虚勢を張っているようにしか見えない。緊迫感ではなく閉塞感かなぁ。
ラストもなんか不安が残るし、いつもの仲間も出てこないし。
というわけで、いきなりこれから読まないほうがいいでしょう。


4巻は、また戻って、組織を立てたころの話だとか。
これは訳して欲しいなぁ。


どうでもいいんだけど、クレイガーって何故か『よつばと!』のジャンボのイメージ。