THE HUNTED

世界でたったひとりの子

世界でたったひとりの子

『世界でたったひとりの子』アレックス・シアラー(竹書房)読了
珍しくYA小説。

老化防止薬が発明され、老いはなくなり、寿命も百数十年になった未来。
そのせいなのか、世界中で出生率が限りなく低くなり、子供はほとんど産まれなくなってしまった。
タリンはそんな貴重な子供の一人。
彼をトランプの賭で手に入れたというディートは、
タリンをレンタル子供として、金持ちに時間貸しして生計を立てていた。
だが、あと数年すれば成長して、なんの価値もなくなってしまう。
ディートは、子供のまま成長を止めてしまうPPというインプラント手術を受けさせ、
一生プロの子供として金を稼がせようとしていた。
しかし、タリンはそんなものは受けたくない。
さらに彼らを追う怪しい影が……

設定はかなりグロテスクな割に、あんまりこれという感想はないんだよなぁ。
YAだからなのか、幸せな結末だし。
ただ、ラスト近くに出てくる、数十年もプロの子供をやっているPP専用のバーはかなり強烈。
シャーリー・テンプルみたいな感じか?


これから、人間は滅びゆく種族と見るべきなのか、
それとも、それに気づいて軌道修正されていくのか?
ラストシーンの二人の描写が印象的。