2006年3月号
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/01/25
- メディア: 雑誌
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今月は『2005年度英米SF受賞作特集』
受賞作だけあって、毎年、この号は面白い。
翻訳は4本
・『妖虗のハンドバッグ』……ケリー・リンク
ヒューゴー/ローカス賞ノヴェレット部門受賞。
亡くなったおばあちゃんのハンドバッグを探すジュヌヴィーヴ。
そのバッグの中には、おばあちゃんの故郷の村と村人が暮らしているというのだが……
ケリー・リンクにしては、わかりやすいかと思ったら、YAアンソロジーが初出。
でも、いつものように置いてけぼり感は健在。
・『ロンドンにおける“ある出来事”の報告』……チャイナ・ミエヴィル
ローカス賞ノヴェレット部門受賞。
作家チャイナ・ミエヴィルのもとに届いた郵便物。
小説のプロットかと思い途中まで読んだところで、間違って配送されたものとわかる。
しかし、そこに書かれていたのは、突如として現れる路地についての報告書だった。
今月ではこれが一番のお気に入り。
かなり想像の埒外にある物語。
タイポグラフィで遊んでいるらしく、英語に堪能なら、原著に当たったほうが楽しそう。
『キングラット』*1も読んでおこうかなぁ。
・『遺す言葉』……アイリーン・ガン
ネヴュラ賞ショート・ストーリー部門受賞。
亡くなった著名な作家。
その娘が遺品を整理していると……
ラストにも解説されているけど、作家にはモデルがいる。
それを推測しながら読むのもいいかも。
短編集が早川書房から近刊。
・『チップ軍曹』……ブラッドリー・デントン
シオドア・スタージョン記念賞受賞。
インプラントによってハンドラーとの意思疎通を強化された軍用犬チップ。
パートナーのダイアル大佐とともに満ち足りた日々を送っていたが、
戦地に送られることに。
しかし、そこで攻撃してきたのは……
犬ランボーって感じかな?
チップのひたむきさと軍部の残酷さが、胸に来る。
「WORLD SF IN A BOX」で第28回ヨーロッパSF大会のレポート。
白水社から出るカレン・ジョイ・ファウラーの『ジェイン・オースティンの読書会』について、
向こうではかなりの論争になったそうだ。
気になるけど、ジェイン・オースティンなんて、読んだことも触れたこともないからなぁ。
それと、12月に亡くなったロバート・シェクリイの訃報。
「デッド・フューチャーReMix」は、ホーランドの潜水艦の続き。
うーむ。面白い。
これだけで十分、運命のいたずら的なドラマになってるもんなぁ。
「サはサイエンスのサ」は、集積回路と印刷技術。
「近代日本奇想小説史」は、明治の科学者や読者がSFをどうとらえていたか。
「MAGAZINE REVIEW」は〈アナログ〉誌
『The Best-Laid Plants』ジェリイ・オルション
『Of Kings, Queens and Angels』ラージェナ・ヴァジュラ
『The Time Traveler's Wife』スコット・ウィリアム・カーター
が面白そう。
「英米SF注目カレンダー2004」
『リングワールド』ってまだやってたのか! 早川書房近刊。
キングの『ダーク・タワー』が完結。だから、新潮社から出しなおしたのかな。
『Jonathan Strange & Mr. Norrell』って面白そうなんだよなぁ。翻訳されないかしら。
『The Confessions of Max Tivoli』も気になる。