PIPSQUEAK

ピップスキーク! (ランダムハウス講談社文庫)

ピップスキーク! (ランダムハウス講談社文庫)

『ピップスキーク!』ブライアン・M・ウィプラッド〈ランダムハウス講談社〉読了

剥製ディーラーのガースが立ち寄った、さびれた中古品店。
しかし、そこには、かつての人気子供番組『バスター将軍ショー』のキャラクター、
ピップスキークという、リスの剥製で作られた人形があったのだ。
どうしても手に入れたいガース。
店長と交渉を始めると、強盗が現れ、おまけに目当てはピップスキーク!
しかし、強盗は返り討ちに合い、本物の店長は棚に閉じこめられ、ピップスキークは奪われてしまう。
家に戻ると、今度は永年音信不通だったヤクザ者の弟から連絡が。
彼は、とある理由からピップスキークを探しているらしい。
さらに、殺人を何とも思わない連中の影も。
ピップスキークには、とんでもない陰謀が隠されているらしいが……

剥製を貸し出しする仕事なんてあるのね。
当たり前なのかもしれないけど。


予想していた話と違ったけど、個人的には結構好き。
もっと、たんなる剥製オタク同志の争奪戦かと思ったら、トンデモ陰謀ものでした。
フーコーの振り子』を100倍くらい稀釈して、バカエッセンスを振りかけると完成。
陰謀ネタがちょっとな。
結局、陰謀論者の勝手な妄想でした、て方が個人的には好み。
それか、登場人物が実は陰謀論に加わってるとか。


登場人物はなかなか魅力的。
汚い言葉を口にできず、謎解きが好きな、ガースの恋人アンジー
複雑な過去があるらしい、ガースの居候オットー。
極度の不潔恐怖性で、エレクトロニクスの天才、ダドリー。
トラブルメーカーの弟、ニコラス。
もっと、一人一人のキャラクターを掘り下げて、読んでみたい。
謎解きが好きな割には、アンジーがあまり活躍しないしなぁ。
ダドリーとオットーの過去も思わせぶりだけだし。
続刊してるみたいなので、次を期待(訳されなさそうだけど……)


ところで、このランダムハウス講談社は、最近ちょっと注目。
まだ、どういう路線がメインになるのか読めないんだけど、
気になる作品をちょろちょろ出してくれるんだよね。