REVELATION SPACE

啓示空間 (ハヤカワ文庫SF)

啓示空間 (ハヤカワ文庫SF)


『啓示空間』アレステア・レナルズ (ハヤカワSF)やっと読了

考古学者のシルベステは、リサーガム星でアマランティン族の遺跡を調べていた。
彼らは99万年前に絶滅しており、石器時代程度の文明しかなかったとされているが、
シルベステは宇宙に出る文明があったのではないかと考えており、その証拠らしきものを発見しつつあった。
しかし、クーデターが起き、彼は軟禁されてしまう。
また、シルベステは、異星の超テクノロジーと知識が隠されているという啓示空間からの唯一の生存者だったが、そこには秘密が……
一方、巨大な宇宙船ノスタルジア・フォー・インフィニティ号の乗組員ボリョーワは、新人乗組員が発狂し、サンスティーラーという言葉を残して死んでしまった事件に頭を悩ましていた。
彼女が乗る船の船長は疫病に冒され、冷凍されていたが、その治療のためには、シルベステが必要だった。
イエローストーン星で暗殺者をしているクーリは、マドモアゼルという謎の女性に、シルスベテ暗殺を依頼される。
リサーガム星に向かうインフィニティ号が、イエローストーン星のそばを通るため、新たな砲術士として乗り込む。
三人が向かう先には、人類の存亡をかけた秘密が存在していた!
アマランティン族人の文明は?
サンスティーラーの正体は?
マドモアゼルの目的は?
そして、啓示空間の正体は?

新刊で買うつもりはなかったんだけど、あまりの分厚さにネタとして買ってしまった。
基本的に箱庭系の小説が好きな上に、全く読む気を削がれるキャラクターイラストのせいで期待してなかったんだけど、
これが、予想外に面白い。


1000ページもあるから、SFガジェットを詰め込んでも詰め込んでも余裕があって、なおかつ消化不良を起こしていない。
しかも、主人公が三人いて、それぞれの秘密や目的がちょっとずつ明かされるものだから、
長いにも関わらず途中でだれることもなく、続きが読みたくなる展開。
ちゃんと大風呂敷を畳みつつ、含みを持たせたラスト。
SFガジェットもそれぞれ面白い。結婚式はあれをメインネタにした話が読んでみたい。
個人的には、ラスト近く、ゴーストシップものっぽくなるパートが、結構好きだったり。
とにかく、ページ数は2〜3冊分あるけど、内容もそれだけある。


ただ、あまりにも長くて、最初の方に出てきた名詞がなんなのか思い出せない始末。
厚すぎて、なかなか探せないし。
分冊にして欲しかった。まぁ、それだったら買わなかったと思うけど。


アレステア・レナルズは同一の未来史を舞台に話を書いているらしくて、他の長篇も読みたくなった。
もしかして、他のもこんなに厚いの?
連接脳派って、『火星の長城』だったか『エウロパのスパイ』に出てきた一派か。
パターン・ジャグラーの存在がちょっと浮いてる感じがしたけど、またシリーズで出てくるのかな?


厚さにめげなければ、かなりオススメ。
あと、虚無僧萌えの人にも(笑)