2005年10月号

S-Fマガジン 2005年 10月号

S-Fマガジン 2005年 10月号



今月は『ロボットSF特集2005』
翻訳は5本


・『脱ぎ捨てられた男』……ロバート・J・ソウヤー
 不老不死になるため、金持ちはアンドロイドに人格を移すようになった未来。
 残された人体は、皮と呼ばれ、名前も権利も奪われ、
 死ぬまで施設で悠々自適の暮らしを送る。
 ラスバーンは、こんな生活は嫌で、元に戻してほしいと、人質を取り、
 今のラスバーンを呼びつける。
 ソウヤー作品によく出てくる、人格のコピー、ダウンロードもの。
 のちに同じテーマで長篇化。
・『ベルナルド・ハウス』……ジェイムズ・パトリック・ケリー
 AIに管理された家。
 そこには、美女の形をしたアンドロイドのインターフェイスもあり、セックスも可能。
 彼女は、ご主人様が来るのを待っているのだが、すでに2年も訪れていない。
 そんなある日、家出少女が門に現れて……
 エロ版アルファさん? 違うか(笑)
・『世界終末のあくる日』……ハリイ・ハリスン
 浅倉久志セレクション。
 突然地球が爆発して、かけらとなってしまった。
 たまたまロケットに乗っていた男女が最後の地球人。
 アダムとイブに例えるが、
 彼女は好きな男が他にいて、彼のことを想えない。
 そこに緑色のものが現れて……
 非常に皮肉っぽいお話。ラストはきついなぁ。
 1980年の作品だけど、今読んでも某大国が目に浮かぶから、なんにも変わってないのね。
・『あなたもA.I.をCycしよう』……ウィル・マッカーシイ
 エッセイ
・『工学プロジェクトの規則』……ジェフリー・A・ランディス
 エッセイ
 ジェフリーの工学の法則はかなり笑えた。現実社会にも十分応用できるね。


「サはサイエンスのサ」は免疫抑制


「センス・オブ・リアリティ」は自殺サイト連続殺人の話。
ジャンル者としては、やはり、江戸川乱歩のことは気になるよねぇ。


「デッド・フューチャーReMIX」は『月世界旅行』に続いて、『海底2万リュー』
エッセイとかコラムで、ここで次回に続き!? て思わず声に出してしまったのは初めて。
来月が楽しみ。


「SF BOOK SCENE」は短編/アンソロジー/チャップブック
アメリカでもYA小説ブームだそうだ。


「MAGAZINE REVIEW」は〈F&SF〉誌
『Basement Magic』エレン・クラギス
『The Secret Sutras of Sally Strumpet』ポール・ディ・フィリポ
『Imago Sequence』レアード・バロン
『The Great Caruso』スティーヴ・ポプケス
が面白そう