KINETIC
- 作者: Kelley Puckett
- 出版社/メーカー: DC Comics
- 発売日: 2005/08/01
- メディア: ペーパーバック
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珍しくリーフの時から読みたくて、TPにまとまるのを待っていた作品。
ハイスクール2年のトムは、
ガリガリに痩せ、右手は不自由で、常に薬を摂っていなければ倒れてしまうという、
ひどく弱い体の持ち主。
ある日、引っ越してきたばかりだというアンジェラと出会い、家まで送っていく途中、
彼女に弱いところを見せたくなく、注射の時間を無視して倒れてしまう。
その夜、トムは、トラックにぶつかるが、自分に傷一つなく、トラックの方が壊れるという夢を見る。
しかし、次の日、現実に彼の肉体は不死身になり、右手も動き、超人的な怪力を発揮するようになる。
スーパーヒーローが好きなトムはその超能力を使って、何をしようかと考えるが……
スーパーパワーを手に入れたことにより、
隣に座った失礼なデブを叩きのめそうと思ったり、
嫌な同級生の頭を潰してやろうと妄想したり、
なんとなく、片想いのアンジェラの家に行って、彼女の着替えを覗いてしまったり……
しかし、基本的に善人のトムは、やはりスーパーヒーロー的な行動に憧れる。
それでも、彼の言動は変わり、
超人になっても、自分の本心がなかなか告げられず、常に自問自答をくり返す。
自分は何を成すべきなのか?
1作目『スパイダーマン』の超能力を得たばかりの時をピックアップしたような、
なんというか、あれ以上に精液臭いストーリー(笑)
超人になったら、したり考えたりするであろうこと、一通りやってくれるトム。
でも、オタク的な痛々しさよりも、どこかもの悲しさがあるのは、
ここにいるのが、力に酔うことも、慢心することもなく、
「普通」の生活ができることを喜ぶ、真面目な普通の少年だから。
両手でステーキが食べられることに涙するシーンは感動。
大都市でもなく、事件もヴィランも存在せず、トムはスーパーパワーをどうするのか?
最後に、彼は何を失い、何を得るのか?
絵も内容も地味だけど、個人的にはなかなか楽しめました。