書物愛[海外篇]

書物愛 海外篇

書物愛 海外篇

『書物愛[海外篇]』紀田順一郎・編〈晶文社〉読了


題名どおり、書物をテーマにしたアンソロジー
その海外篇。


収録作品
・ギュスターヴ・フロベール
・『薪』アナトール・フランス
・『シジスモンの遺産』オクターヴ・ユザンヌ
・『クリストファスン』ジョージ・ギッシング
・『ポインター氏の日記帳』M・R・ジェイムスン
・『羊皮紙の穴』H・C・ベイリー
・『目に見えないコレクション』シュテファン・ツヴァイク
・『書痴メンデル』シュテファン・ツヴァイク
・『ロンバート卿の蔵書』マイケル・イネス
・『牧師の汚名』ジェイムズ・グールド・カズンズ


ちょっと期待してたのと違ったかなぁ。
もっとキチガイっぽいのが載ってると思ってた。


個人的お気に入りは、


『愛書狂』
自分が狙っていた本をオークションで取られてしまった男。
その相手の家が火事になってしまい、その本を火事場から盗み出したが……
『シジスモンの遺産』
長年ライバル同士の古本コレクター。
その片割れが死に、そのコレクションを買い取ろうとするが、
遺言でそれは許されていなかった。
その管理を任せられたのは彼の従姉妹で、しかも本を嫌っており、
そのコレクションをすべてダメにしようとしていた!
『目に見えないコレクション』
成金にどんどん商品を買われてしまったアンティーク屋。
そこで、以前のお客から、いくつか品物を買い戻そうと考える。
先代のお得意様の銅版画コレクター。
彼のコレクションは今や、物凄い価値になっている。
その家に行くが……
『書痴メンデル』
オーストリアのとある喫茶店に、何十年も通っている古本の行商人メンデル。
彼は本のことにしか興味がなく、しかも恐るべき記憶力を誇っていた。
その彼が戦争のために受けた悲劇とは?


あたりかな。
中でも『愛書狂』が一番好き。これが15歳のころの著作か……
それと『書痴メンデル』のメンデルは憧れる。