『THE BUTTERFLY EFFECT』



バタフライ・エフェクト』を鑑賞。
2年前に『SHOW BIZ』で紹介されて、見たいと思いつつ、
公開もDVDも出ないから、諦めていたところ、やっと公開。


エヴァンは幼いときから、断続的な記憶喪失に悩まされていた。
大学生になり、偶然、書き続けている日記を読むと過去に戻り、歴史を変えられることに気づく。
同じくして、空いた記憶の穴が気になり、
久しぶりに故郷に戻って、幼なじみで初恋の相手でもあるケイリーに会いに。
彼女は場末のウェイトレスになっていた。
そこで、幼いとき、自分と彼女が裸にされて、彼女の父親に撮影されていたのだが、
何が起きていたのか記憶になく、それを尋ねると、彼女は取り乱し、翌日自殺してしまう。
そこでエヴァンは、その撮影の瞬間に戻り、ケイリーの父親を脅して撮影を止めさせる。
気づくと、大学生になったケイリーとベッドで目覚める。
幸せで、二人は相思相愛の仲だったが、その仲を裂こうとする、
出所した彼女の弟トミーが襲ってきて、エヴァン思わず殺してしまう。
刑務所行きになるエヴァン。
再びジャンプし、トミーの刑務所行きの契機になる犬殺しを止めるが、
代わりに、もう1人の幼なじみ、レニーがトミーを殺してしまう。
再び現在に戻るが、そこではケイリーは売春婦、レニーは精神病院に入院。
またジャンプし、全てが狂ったダイナマイトでのいたずらを止めるが、今度は……
はたして、全てが幸せに収まる歴史を作ることはできるのか?


この手のジャンルものとしては、けっこうな傑作だと思う。
現状を改善しようとすればするほど、事態は悪くなり、更に他の人々の歴史も変えてしまう。
因果律の輪、無限に派生しうる並行世界、たった一つの出来事で全てが変わってしまうカオス理論。
ちょうど、タイムスリップもののアンソロジーを読んでいたので、
そこに出てくるような表現を上手く組み合わせている感じがした。
ロバート・シルヴァーバーグの『時間層の中の針』に出てくる、
記憶と歴史の上書きはこういうことなのか、と表現に感動。


メメント』みたいに、見終わった後に人と「あれはこうなの?」と話し合いたくなる。
幼少時の記憶の穴は上手い具合に収まって行くんだけど、
小学生の時に描いた人殺しの絵だけは、どういう意味なのか考えちゃうんだよなぁ。


題名は、ブラッドベリの『雷のような音』に引っ掛けてるのかと思ったら、
やっぱりそうみたい。


ケイリーの父親は、エリック・ストルツなんだけど、久しぶりだなぁ。
というか、彼の映画って『マスク』くらいしか覚えがないけど。
彼も『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主演を降ろされなかったら、
まさに違う歴史を歩いていたのかも、と感慨ひとしお(笑)


ショッキングな表現も多いけど、
ある意味、究極の純愛映画。
オススメ。