SANDKINGS

サンドキングズ (ハヤカワ文庫 SF 562)

サンドキングズ (ハヤカワ文庫 SF 562)

『サンドキングズ』ジョージ・R・R・マーティン〈ハヤカワSF〉読了
先日読んだ『タフの方舟』と同じ宇宙を背景にしているということで、手に取ってみた。


 収録作品
・『龍と十字架の道』The Way of Cross and Dragon
 宇宙中に広がったキリスト教
 ダミアンは異端を潰すのを仕事にしている審問官。 
 アリオンという星に、ユダを崇める異端があると聞き、赴くが……
・『ビターブルーム』Bitterblooms
 厳冬の星。
 仲間も死に、雪の中を迷ったショーンは、
 不思議な鉄の建物に住む、モーガンという女に助けられる。
 彼女は魔法が使えるといい、二人で様々な星を旅する。
 しかし……
・『〈蛆の館〉にて』In the House of the Worm
 穴居に暮らすヤガ=ラ=ヘイ。
 そこには彼らとは別に、グラウンという種族もその下に暮らしていた。
 ヤガ=ラ=ヘイはグラウンの肉を食べ、アネリンはその"肉はこび"に侮辱される。
 彼を殺そうと、地下深く降りていき、
 そこで見た真実は?
・『ファスト・フレンド』Fast‐Friend
 素質のある、選ばれたほんの一握りの人間は、
 暗黒体と一体化し、宇宙を超高速で移動し、物資を運ぶファスト・フレンドとなる。
 ブランドはその素質はあったのだが、死を恐れて逃げてしまう。
 恋人はファスト・フレンドになっていて、彼女と再び一緒になるために、
 ある計画を思いつく……
・『ストーン・シティ』The Stone City
 惑星クロスワールズ。
 その不条理な世界と社会システムに翻弄される男。
・『スターレディ』Starlady
 身ぐるみを剥がされたジェイニーは、
 ポン引きのハルに助けられ、スターレディという人気の娼婦となる。
 彼女とともに助けられたゴールデンボーイという少年が、
 ある日、街の実力者に奪われ、取り返そうとする。
・『サンドキングズ』Sandkings
 変わったペットを自慢するのが趣味のサイモン・クレス。
 ある日、サンドキングスという昆虫に似た小さな生物を入手する。
 サンドキングスは城塞を作り、他の城塞と戦争をし、
 飼い主を神として崇めるというのだ。
 クレスは早く戦争が見たくて、エサを減らすのだが……
 
同じ宇宙史を背景にしているといっても、ほとんど関係なく、独立した短篇集。
全体的に、もろにSFではなく、ファンタジーっぽい作品が多い。
『〈蛆の館〉にて』なんて、ダンジョン冒険ものだし。


個人的お気に入りは、
『龍と十字架の道』、『〈蛆の館〉にて』、『ファスト・フレンド』、『サンドキングズ』あたり。
特に、表題作『サンドキングズ』は面白い。
途中に生まれる疑問を忘れさせるスリリングな展開。
そして、ラストでその疑問の答えが……
テレビ映画かなんかで、映像化されたんだっけ? 見たいなぁ。