THE GLAMOUR

魔法 (ハヤカワ文庫FT)

魔法 (ハヤカワ文庫FT)

『魔法』クリストファー・プリースト〈ハヤカワFT プラチナ・ファンタジイ〉読了。


著名なカメラマン、グレイは爆弾テロに巻き込まれ、重傷を負う。
それによって、爆弾前数ヶ月の記憶が全くなくなってしまう。
ある日、病院にスーと名乗る女性が訪れる。
彼女は彼の恋人で、その数ヶ月の間に出会い、別れたという。
スーを見ても全く思い出せないグレイだが、徐々に記憶を取り戻す。
スーにはナイオールという昔の恋人がいて、ずっと彼女につきまとっていた。
それが元でグレイとスーは別れたのだ。
しかし、グレイが思い出した記憶は……


最初は普通に、グレイとスーの旅行のことがずっと描かれていて、
かったるいなぁ、と思っていたら、
スーの回想が始まった途端、「あれ!?」て感じ。
何を書いても面白さが減じちゃうから、レビューしにくい。
都合のいいように上書きされた記憶なのか、
それとも、ウソなのか?
はたまた、作品全てが、作中に出てくる、
「見えないから気づかないこと」と「本当にいないこと」は主観的には同義、ということなのだろうか?
プリーストの作品て、ページが進めば進むほど、不安になるんだよねぇ。
ホントに、残りのページで種明かしできるの? という不安。
まぁ、ちゃんと終わるんだけど、
不満ではなくて、オチの意味が消化できないんだよなぁ。
『奇術師』はいまだに分からないんだけど、
『魔法』もやはり分からない。
最後どういうこと? 本当に雲にまかれて、道筋を見失った読了感。
どこから作り物?


『奇術師』ともども、ネタバレで誰か解説して! マジで。


でも、オススメ。