今月の特集は『ヒーロー・フィクション特集』
今年もアメコミ映画が多いのに合わせた企画。


・『オリオン』……ベン・ボーヴァ
自分の体をフルに操縦することができるオライアン。
彼は、ある日、自分には過去の記憶がないことに気づく。
そんな彼の元に、オルマズドと名乗る男が現れる。
彼は、オライアンは超未来から送り込まれた人間であり、
人間を滅ぼそうとするアーリマンと戦う運命にあるというのだ。
図らずも、人間の歴史を大きく左右する新型核融合炉が開発され、
アーリマンはそれを破壊しようとしていた。
オリオンは阻止できるか?
うーん。個人的にはイマイチ。
かなり大味だなぁ。
シリーズものらしいんで、年代記みたいにあらゆる時代で戦っていくのを読んだら、
面白く感じるかもしれないけど。
・『COOL』……ローレンス・ワット=エヴァンズ
スイングを楽しんでいたスパイダーマン
その途中、ジャンピング装置をつけた強盗に出くわす。
捕まえようとするが、肝心のウェブ原液が切れてしまっていた。
そこで、彼を挑発して、警官がやってくるまで引きつけておこうとするが、
それを見たスパイディファンの少年は、彼がピンチだと思い……
後味悪っ。
この少年の行為も、大いなる力には大いなる責任が伴う、の責任の一部なんだろうね。
それも背負わなければならない、現代のアメコミヒーロー。
・『ニューヨークの妖精』……ナンシー・A・コリンズ
NYで幼児が忽然と姿を消す事件が続発していた。
市長から出動要請を受けたヘルボーイたち。
恐らく、相手は妖精で、それも子供を食用にしている可能性が高いと見るが、
はたして、ヘルボーイの目の前で、超常存在が子供を連れ去ろうとしていた!
アメコミはいろんな人間が描くのが当たり前だけど、
ヘルボーイ』だけは、ミニョーラの絵じゃないとやだなぁ。
そんなわけでノベライズは論外。
ブルッテンホルム教授が現場に出てきているのは新鮮だったけど。生きてんだっけ?
・『ツーリスト』……チャールズ・ストロス
スコットランドで、ゴーグルをスリに奪われたマンフレッド。
その瞬間、彼は自分が誰でどこにいるのかわからなくなってしまった。
連絡が取れなくなり、心配したアネットが探しに来る一方、
ゴーグルを手に入れたスリはマンフレッドと化し、いつもの商談を始めていた。
〈アッチェレランド〉第3話。
相変わらず、大量の情報の海を漂っている感じがたまらない。
好きなんだけど、連作を飛び飛びで読んでるから、前に出てきたキャラがわからない。
単行本でまとめてくれないかなぁ。
ダメ人間のマンフレッドの活躍は今回まで。
次の主人公はその娘だとか。


エッセイは4本
・『さらに新たな血を求めて』
ビッグネームファンにして、名編集者シュワーツを中心に、
アメコミとSFの関係を書いたエッセイ。
SFヲタ版『プロジェクトX』みたいで面白かった。
・『ヒーローのいる風景』
ヒーローが出てくるSF小説の紹介。
なんといっても『ワイルドカード』って推すならさぁ……
・『フラッシュ・ゴードンからヘルボーイまで』
ヒーローものの映画史。
アンブレイカブル』の取り上げ方が笑えた。
普通の映画鑑賞者からは不当(正当?)に酷評されている、アメコミ映画の傑作。
ここに書いてあって、なるほどと思ったんだけど、『バットマン』『バットマンリターンズ』って、バートン趣味がもろに出てて、アメコミヲタを納得できる作りながら、ハリウッド大作としてヒットしたんだよね。確かに奇跡。
・『COMIX NOW AND THEN』
アメコミの歴史と最近の概説。
アメコミ者からすれば薄いのかもしれないけど、概略を知る上では読みやすいんじゃないでしょうか。
赤狩りの頃の規制見てると、今に日本でも実行されそうで怖いよなぁ。


ウォッチメン』と『ダークナイトリターンズ』は本当に凄かったのね。
この手のエッセイで避けては通れない二大タイトル。


アメコミニュース
・『ヘルボーイ』重版
映画に合わせての重版だけど、できれば新訳を……
・『アストロシティ』9月発売予定。
JIVEのサイトによると、『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』の2巻も訳される予定。
洋書で買わないで、もうちょい待ってればよかったか……
『DK2』とかも訳してくれんかな。
あと『BATMAN DARK VICTORY』とか。
・ついに『スパイダーマン』DVD化!
出ちゃいますか、コレ(笑)
ホントにスタン・リー絶賛なの?
水曜日だったっけなぁ、見てたよ。
当時、スパイダーマンって和モノだと思ってた。
洋モノだと気づいたのは、朝やってた、♪スパイラマン、スパイラマン〜のアニメ見てから。
あと、同時期にテレビ映画かなんかを見たんだったけな。
ちょっと見たいけど、DVD-BOX買うのはなぁ。


翻訳関係はJIVEが頑張ってくれているので、ひじょうに期待。
これで『ワイルドカード』が出てくれれば……
お父っつぁん、それは言わない約束。


海外ニュースのローカスベストセラーに
『華氏451』が入ってたのは、やはり『華氏911』の影響?


唐沢俊一の『猿たちの迷い道』は人形と単為生殖。
残念ながら今月で最終回。


漫画レビューに『ドカベン』の名前があったのは笑えた。
あれ、十分SFだもんなぁ(笑)