今月のSFマガジンは『「ベストSF2003」上位作家競作』。


1位のテッド・チャンはインタビュー。
テッド・チャンの魔法論みたいのがかなり面白かった。
科学は誰がやっても同じ結果が出るものはだから、
この世界から見たら魔法に見えるようなことでも、
そのようなシステムで動いているならそれは科学である、みたいな内容。
だから、ゴーレムとホムンクルスによる産業革命が起きている「七十二文字」は、
ファンタジーっぽいけど、チャンからすればSFなのだ。
なるほど。


2位のグレッグ・イーガンは短篇『行動原理』が掲載。
妻を銀行強盗に殺された男。
犯人は司法取引で、もう仮釈放で外に出ている。
しかし、彼は死刑反対論者だし、復讐などと言うこともしないと決めていたが、
それでも、妻のことを思わずにはいられない。
そこで、男は、人の命を特別なものに思わなくなるインプラントを購入する。
それを買ったからと言って、いきなり殺人鬼になるわけではない。
インプラントを脳に埋め込み、犯人の家に行く。
そこで何を認識するのか?
「宇宙消失」はどうも肌に合わなかったんだけど、短篇は結構好き。
短篇集読むかな。


浅倉久志セレクション第2回は、ジャック・ヴァンスの『新しい元首』
男は気づくと、パーティ会場で裸でいることに気づいた……
男は怪物に信仰されている国の兵士で、敵に最後の一撃を加えるためその本営に近づいていた……
男は追いつめられた君主のため、諦めつつも滅び去った都で文書を探す……
男は自分のイマジネーションをスクリーンに映して競う大会に出ている……
男は敵に捕らえられ、激しい拷問を加えられる……
男は目覚めと……
めまぐるしく六つの世界が展開し、そして最後ですべてが明らかになる。
ちょっと古い感じはするけど、十分に面白かった。


『サはサイエンスのサ』はBSEと吉野屋の話。
この辺のことは不勉強なので、非常に興味深く読ませてもらいました。


『SFスキャナー』はジョン・バーンズの『The Sky So Big and Black』
『軌道通信』と同じ世界の話はずっと続いているね。
読みたいなぁ。
この作品、ひっじょ〜に好き、てのは言わずもがな。
日本じゃ3冊しか訳されてないんだよなぁ。


名前くらいしか知らないんだけど、
ジャック・ケイディが亡くなったそうだ。
71歳。
ご冥福をお祈りします。


アサロ編のアンソロジーにマイルズものが入ってるとか。
しかも、結婚式の話!
ついに、エリと結婚するの?