NEWTON'S CANON

錬金術師の魔砲〈上〉 (ハヤカワ文庫FT)

錬金術師の魔砲〈上〉 (ハヤカワ文庫FT)

錬金術師の魔砲〈下〉 (ハヤカワ文庫FT)

錬金術師の魔砲〈下〉 (ハヤカワ文庫FT)

錬金術師の魔砲』J・グレゴリイ・キイズ(ハヤカワFT)読了。
珍しくハヤカワFTを新刊で買ってしまいました。

時は18世紀。イギリスとの戦争中、劣勢に立たされたフランスはロンドンを消滅させてしまうらしい「ニュートンの大砲」という秘密兵器の開発を図る。一方、植民地アメリカの天才少年ベンジャミン・フランクリンはその秘密兵器に関するエーテル通信を傍受し、危機を伝えるためにイギリスに渡る。霊薬によって不死と化したルイ14世錬金術を操るニュートン、ベンを狙う不気味な存在。彼らの運命は? ロンドンの運命は?

ニュートン錬金術の秘宝を発見したために改変された歴史。
改変歴史物は好きだから……と言いたいところだけど、ちょい期待外れ。
つまらなくなはないんだけど、いびつに歪んだ虚構世界を、もっとかっちりと構築して欲しかったかな。
エーテル理論によるファクスみたいな機械とか、雷撃銃みたいのがある割には、けっこう普通の世界。
やはり、この手の虚構世界はニューマンの『ドラキュラ紀元』には勝てないか。


改めて言うけど、つまんなくないよ。
ただ、これから読もうとする人に言っとくけど、これって四部作なのね。
えらく消化不良な終り方だと思ったら、後書きに書いてあった。
あと、字でかくして上下巻はやめて欲しい。