Black Widowers

黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1)

黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1)

黒後家蜘蛛の会 2 (創元推理文庫 167-2)

黒後家蜘蛛の会 2 (創元推理文庫 167-2)

黒後家蜘蛛の会 3 (創元推理文庫 167-3)

黒後家蜘蛛の会 3 (創元推理文庫 167-3)

黒後家蜘蛛の会 (4) (創元推理文庫 (167‐5))

黒後家蜘蛛の会 (4) (創元推理文庫 (167‐5))

黒後家蜘蛛の会〈5〉 (創元推理文庫)

黒後家蜘蛛の会〈5〉 (創元推理文庫)

今更ながら『黒後家蜘蛛の会アイザック・アシモフ創元推理文庫・他)読了。


人様が面白いといってるものはあんまり読まないんだけど(天邪鬼だから)、
これは珍しく人のオススメを読んだ。


結論から言うと、ヘンリー萌え〜!


そんなわけだ。
えっ、駄目? しゃあないな。知らない人のためにあらすじを。


黒後家蜘蛛の会という男6人の会員は、月に一度食事会を行う。
持ち回りでホストを務め、毎回一人のゲストを呼ぶ。
そのゲストが何故かいつも何らかの謎めいた悩みを抱えており、
彼らはそれを色々と解こうとするのだが、正解を見つけだすのはいつも給仕のヘンリー。
というミステリーの短編集。


会話だけで謎を解いていく安楽椅子探偵の変形、といったところ。
特徴であり、気に入った部分でもあるのが、ほとんど人死にの謎解きがないこと。
全61話中、1、2回しかなかったと思う。
最近の謎解き漫画も、殺人ばかりじゃなくて、こういうのを書いてくれればいいのに。
ただ、会話だけで謎を提示してそれを解いていくため、
どうしても言葉遊び的なものが多くなってしまうので、そこが日本人としては辛いところ。
タネになる単語にはルビが振ってあるから、どうしてもそれが怪しいと分かっちゃうけど、
それが振ってなければラストのオチの理解が不十分なっちゃうしな。
トールキンの話なんて、途中でなんか読めたし。
本当なら原語で読めればいいんだろうけど、語学能力ないからなー。


そして、面白いのが作品ごとにあるアシモフのあとがき。
ちょっと自慢入ってるところが笑える。
特に『東は東』のあとがきは凄くて、地名ネタなんだけど、
船の中で書いたため辞典がなく、自分の記憶だけで書いたというのが驚き。
忘却障害だったって話も信憑性あるよなー。


創元から全5巻、それと社会思想社の『バットマンの冒険』に『黒後家蜘蛛とバットマン』の1編所収。
アシモフはSFしか読んだことがない、という人も多いだろうけど、
一つ一つが短いし、普通のミステリーのようにそんな謎わかんねーよ、
というのばかりでなく、読者にも謎が解けそうなのが楽しい。