OFF SEASON : The Unexpurgated Edition

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『オフシーズン』ジャック・ケッチャム(扶桑社)読了。


ケッチャムの処女長篇。
けっこう数奇な運命の小説で、読んでる人には常識だけど、取り敢えず。
最初刊行するとき、残酷シーンの書き直しやら削除やらが無数に入り、
オリジナル原稿は捨ててしまったそうだ。
それでも、出版社には抗議が来て、そのまま絶版。
後にイギリスで出すときに、オリジナルに近くし、それが邦訳されている。
残酷シーンはまだしも、オリジナルと最初に出版されたものではラストが異なり、
ケッチャムにとってはそれが一番嫌だったようだ。


そんなわけで、読もうと思う人は、ダグラス・ウィンターの序文とケッチャムの解説は絶対に最後に読むように。
ネタバレしてるから。


さて、あらすじは、オフシーズンの避暑地にやってきた主人公たちが食人族と戦う、というそれだけだとどうしようもなく聞こえるもの(笑)。
しかし、そこはケッチャム。
残酷シーンのオンパレード。
生きたまま舌を切り取っちゃうとかね。
グリフィスの拷問シーン萌え〜だった人はオススメ(笑)。
ひたすらそれだけの話なんだよな。相変わらず、事件のバックボーンは出て来ない。
食人族の正体もわからずじまい。


ケッチャム作品が映画化されるとしたら(まずないけど)、案外この『オフシーズン』が一番映画化しやすいかも。
そりゃ、大幅な変更になるだろうけどね。


次は『オンリー・チャイルド』。