20世紀SF3

20世紀SF〈3〉1960年代・砂の檻 (河出文庫)

20世紀SF〈3〉1960年代・砂の檻 (河出文庫)

3巻は60年代。〈ニュー・ウェーブ〉の時代。


毎巻、巻末の解説はその時代のSFの流れについて書かれていて、
俺みたいに半可通なSF者には概説として勉強になる。


最近、バカな少年犯罪でよく漫画やゲームが言及されるのは、
マンソン・ファミリーが『異星の客』を引用していたことの繰り返しか。
カルチャー的なことから言えば、この頃のアメリカと今の日本はある意味近いものがあるのかな。


さて、感想。
印象に残っているのは
『復讐の女神』ゼラズニィ
ゼラズニィはあんまり読んでないんだけど、おもろいわ。なんかヴィジョンが漫画的。いや、だから好きってわけじゃないよ。


『コロナ』ディレイニー
一番印象に残ったのが『コロナ』。
最後で泣きそうになる。年とともに涙腺が緩んでしょうがないね。
カウンターカルチャーの頃だから、虐げられし者たちの物語もこの頃から増えてきたようだ。


『メイルシュトレーム2』クラーク
クラークはやっぱいいわ。
2001年宇宙の旅』みたいな壮大な話じゃなくて、どうやって助けるか、みたいなエンジニア系の話のほうが好きだな。
『メイルシュトレーム2』もそう。


『リスの檻』ディッシュ
なぜか、以前、ディッシュとバラードがごっちゃになっていた時期があったけど、こうやって並べて読むと全然違うな。
『リスの檻』は名画(笑)『ホーリー・マウンテン』をどこか思わせる。


『月の蛾』ヴァンス
かなり面白かった。
なんとなくスラップスティック。もしかしたら、仮面にもっと深い意味が……。