20世紀SF2

20世紀SF〈2〉1950年代―初めの終わり (河出文庫)

20世紀SF〈2〉1950年代―初めの終わり (河出文庫)

『20世紀SF2』山岸真編(河出文庫)読了。
あとがきにもあるのだが、このアンソロジーシリーズは、その時代がわかるようにテーマ付けられている。


50年代アメリカ核と共産主義への恐怖。
二次大戦のあとでは科学ですべてが解決するとは思われなくなった。
またマッカーシズム吹き荒れる中ではいつ隣人が、そして自分が敵となるか(思われるか)わからない恐怖があったことから、
侵略者は目に見えなくなってくる。そんな暗い時代だったのだ。
ディックの『父さんもどき』やアンダースンの『サム・ホール』はこの辺の空気を現わしている。


今回気に入ったのは
『終わりの日』マシスン、『幻影の街』ポール、『証言』ラッセル、『たとえ世界を失っても』スタージョン、『サム・ホール』アンダースン。


こういうアンソロジーはいいね。
有名作家のいい紹介になるし、なによりその作家を知った振りができる(笑)。
いつも言われていることだけど、もっとアンソロジーが出てくれると嬉しいね。