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- 作者: G・ウィロー・ウィルソン,エイドリアン・アルフォナ,秋友克也
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2017/09/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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主人公のカマラは、スーパーヒーローが好きな、ムスリムの女子高校生。それがひょんなことからスーパーパワーを得て……
イスラム・ムスリムに抱きがちな「異質」「厳格」「怖い」という印象を払拭してくれるのがカマラの魅力。学校で居残りさせれちゃうし、モスクで私語はしちゃうし、親に皮肉は言うし。
ムスリムの家が窮屈と思うと同時に、それが自分のアイデンティティ。
現代アメリカのティーンエージャーとしてやりたいことはあるのに、ムスリムのルールに縛られてしまう。でも、それは決してムスリムに限ったことではなく、普遍的なテーマ。また、新米ヒーローの失敗や成長ともシンクロしている。
厳しい家族に対しても、うまくいかないヒーロー稼業に対しても、カマラちゃんのへの字口がいいのよ。
『無限の書』の魅力的なヒロイン、ダイナともイメージが重なる。
個人的にはニートの兄ちゃんが好きw
イスラム教を軽んじることなく、でも、今風の軽さを持った主人公像は、ニュージャージー州出身で、成人してからイスラムに改宗した作者ならでは。
絵柄もいいし、間違いなくオススメ。