Batman v Superman: Dawn of Justice



『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』鑑賞


不朽のヒーロー「スーパーマン」をリブートした「マン・オブ・スティール」の続編で、ヘンリー・カビル演じる主人公のクラーク・ケント=スーパーマンに加え、DCコミックを代表するヒーロー「バットマン」も登場。「アルゴ」のベン・アフレックブルース・ウェインバットマンを演じる。そのほか、同じくDCコミックの「ワンダーウーマン」も参戦し、イスラエル出身の新星ガル・ギャドットがダイアナ・プリンス=ワンダーウーマンに扮する。スーパーマンの宿敵レックス・ルーサーには「ソーシャル・ネットワーク」「グランド・イリュージョン」のジェシー・アイゼンバーグ、ブルースの執事アルフレッドにジェレミー・アイアンズ。監督はザック・スナイダーが続投、脚本に「アルゴ」でアカデミー賞を受賞したクリス・テリオが参加。

正直、期待してなかったんだよね。
ザック・スナイダーは10分間だけなら世界で一番かっこいい映像が撮れる人だけど、映画全編となるとなぁ……とか、DCのダーク路線はあまり好きじゃないなぁ、とか、そもそもMARVELが10年かけて順を追って『アベンジャーズ*1を成功させたのに対して、こっちはまずジャスティス・リーグから始めてフランチャイズ化していくのってどうなの? とか諸々。


で、アメコミを知らないわけじゃないけど、原著読む程のアメコミ者でもない立ち位置にいるものとしての感想は、いや、DC映画じゃ一番面白いんじゃないかなぁ。少なくとも152分という長尺で飽きなかった。


いろいろ書きたいことはあるんだけど、どうしようかな。


まず、911をエンタメで表現できるようになったのは凄いな、と。『ザ・ウォーク*2の時も感じたけど。
超人同士の戦いを一般人視点(バットマンだけど)で見上げるように描く、というのは映像作品としては斬新。こういう作品も見てもたいなぁ。


『マン・オブ・スティール』*3の続編ではあるんだけど、DCフィルムズ・ユニバースとしては実質的な第一弾。よくそこに、変則的な『ダークナイト・リターンズ』*4をベースに持ってきたよなぁ。


スーパーマンヘンリー・カヴィルが続投。
人間と似てるし、人間を理解しようとしているけど、根本的なところで「違う生き物」感がよく出ていると思う。
ロイスとの濡れ場はラリー・ニーヴン*5を想起しちゃうお年ごろ。


ベン・アフレックは『デアデビル*6のもっさりした印象が拭えなかったんだけど、今回の年取ったバットマンは凄くいい。
彼の四角く、重い感じが、フランク・ミラーバットマンそのものなんだよね。格闘シーンもドスン!という重みがあって素晴らしい。
一方、彼が銃器を使用し、悪人を殺すのも辞さないことに対しては、批判はあるのかもなぁ。20年間戦い続けてきて、しかも悪夢と被害妄想にさいなまれる毎日で焦燥しきっちゃてるんでしょう。
セリーナやタリアともいろいろあったのね、と苦労が偲ばれる。
今回のブルースがバットマン映画史上、一番社長っぽいw ちなみに、ジェレミー・アイアンズのアルフレッドはエロすぎ危険w


ジェシー・アイゼンバーグのルーサーはよかったなぁ。
これまで実写化では、コミックリリーフ的な扱いだったのが、今回は悪辣な天才としてのサイコっぷりが、アイゼンバーグのハイテンションな演技と相俟っている。SNSで儲けたのかな(混ざってるよ!)


で、ついに登場ワンダーウーマン
アメコミ映画はたくさん作られるようになったけど、主役張れるような女性ヒーローが出てきたのは初めてなんだよね。そういう意味でも満を持して、という感じ。
これが物凄く強烈! アダム・ヒューズ描くゴージャスさはないんだけど、女戦士としては文句なし。
盾で衝撃波を受けて、「やるわね…」的に首をひねるシーンは最高!
ただ、彼女がなんでアメリカに来ているのかは不明。


シビルウォー』と同じようなテーマなのは、アメリカの現在を空気を写しているのかなぁ、とは思う。


でも、個人的には、20年間、主だったヴィランは倒し尽くしてしまい、手こずることにも手こずる範馬勇次郎状態になって、完全に退屈している所に、最強最悪のヴィラン(=スーパーマン)が登場したたため、地球を守るとか大義名分を言いつつ、本当は「俺より強い奴に会いに行く!」とワクワクしちゃってるバットマンの物語だと思ってます。
だから、ウキウキして新ガジェットいっぱい作っちゃうw
しかし、それと同時に、亡くなった親に縛られてる二人でもあって、その呪縛が解けた時、仲間であることにも気づいて共闘する流れに。


以下ネタバレ全開。

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