Searching for Sugar Man



『シュガーマン 奇跡に愛された男』鑑賞

アメリカでデビューした後、南アフリカで局地的に支持された伝説のシンガーソングライター、ロドリゲスの数奇な運命をひも解くドキュメンタリー。1970年、著名な音楽プロデューサーに見出され、アメリカでメジャーデビューしたメキシコ系シンガーソングライターのロドリゲス。2枚のアルバムをリリースし、一部で高い評価を得るもののアルバムはまったく売れず、そのまま音楽シーンから姿を消す。しかし70年代後半、ロドリゲスのアルバムはアパルトヘイト時代の南アフリカへ渡り、「シュガーマン」をはじめとする楽曲が、抵抗運動を続けていたリベラル派の若者たちから熱狂的に支持されていた。12年度・第85回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞。

デトロイトでデビューし、アメリカでは全く無名だが、南アフリカでは、誇張なしで知らぬものはいないシンガーソングライター、ロドリゲス。
彼はステージ上で自殺したとも、麻薬中毒で獄死したとも伝えられる。
しかし、彼の消息を調査する記者のもとにある連絡が……


歌と歌手の数奇な運命の物語。
映画的には『アンヴィル!』*1と似てるんだけど、こちらは紛うかたなき超スーパースター(南アフリカ限定で)。その名声はエルヴィスさえ凌ぐ(南アフリカ限定で)。


彼の歌がなぜ南アフリカで人気になったのかという、アパルトヘイトを背景にした広がりや、その消息を追う前半も面白いんだけど、後半が非常に感動的。
ドキュメンタリーなのに、いかにもあくどい社長や、ロドリゲスの知人のレンガ工とかキャラクターがいい。彼は最初から凄かったぜ、と言ってる当時の業界人はうそ臭いんだけど(笑)


CD買っちゃいました(笑)


今春オススメの一作。

シュガーマン 奇跡に愛された男 オリジナル・サウンドトラック

シュガーマン 奇跡に愛された男 オリジナル・サウンドトラック

アンナ・カレーニナ(1)』トルストイ〈光文社〉¥105
ラテンアメリカ十大小説』木村栄一岩波書店〉¥350
『21世紀の世界文学30冊を読む』都甲幸治〈新潮社〉¥1300
『女が嘘をつくとき』リュドミラ・ウリツカヤ〈新潮社〉¥1050
『伝説の「どりこの」』宮島英紀〈角川書店〉¥420
『新潮』2013.3〈新潮社〉¥480
『The Mystery Writers』〈早川書房〉¥105