DROWN

ハイウェイとゴミ溜め 新潮クレストブックス

ハイウェイとゴミ溜め 新潮クレストブックス

『ハイウェイとゴミ溜め』ジュノ・ディアス〈新潮社CREST BOOKS〉
『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』*1が大当たりだったので、ついでに短篇集も。

 収録作品
・「イスラエル」Ysrael
・「フィエスタ、1980」Fiesta, 1980
・「オーロラ」Aurora
・「待ちくたびれて」Aguantando
・「ふり回されて」Drown
・「ボーイフレンド」Boyfriend
・「エジソン、ニュー・ジャージー」Edison, New Jersey
・「ブラウン、ブラック、ホワイト、そしてハーフのGFとデートする方法」How to Date a Browngirl, Blackgirl, Whitegirl, or Halfe
・「のっぺらぼう」No Face
・「ビジネス」Negocios

読む順番を間違ったかなぁ。
『オスカー・ワオ』のオタク的要素を期待していると肩透かし。ポップさは少なく、より自伝的要素が強い。出てくるエピソードは『ワオ』と共通しているものもあり、主人公の名前もユニオール。
ボンクラな影に、逃れられない(=逃れたい)移民の底辺の生活が描き出されている。つらいはずなのに間の抜けた雰囲気で悲惨さは感じさせず、しかし、読後感はどこかしらしんみり。
お気に入りは、
父親の車に乗ると気持ち悪くなってしまう「フィエスタ、1980」
いろんな人種の女の子をモノにする妄想だけの「ブラウン、ブラック、ホワイト、そしてハーフのGFとデートする方法」
幼い頃に豚に顔面を食べられてしまい、マスクを被った少年の生活を描いた「のっぺらぼう」