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NOBBONさんのレビュー(だったかなぁ?)で気になっていた『ヴィジョン』がついに邦訳!
郊外の住宅地に、アンドロイドの4人家族が引っ越してくる。
"普通"をめざし、一般社会に溶け込もうとする彼らだが、ある(ヒーローアメコミにありがちな)事件を境にできた歪が徐々に大きくなり……
奇妙な隣人が越してきて、そのふるまいが気になる…という、サスペンス(ホラー)な展開のアメコミ。
MARVELなんで、当然ヒーローとヴィランは登場するんだけど、明確な敵は存在しない。
何より、ヴィジョン一家を始め、ヴィランも一般人の脇役も、登場するすべてのキャラクターが、自分の手の届く範囲、つまり家族を守りたい、というのが行動原理になっている。
しかし、彼らはスーパーパワーを持っているがゆえに、手の届く範囲が限りなく広い。それが生む悲劇。
一家にとって、「人間らしい」ことは幸せだったのか、不幸だったのか。
これだけで独立して読めるので、SFホラーコミックの一つとしてオススメ。