べろまん
- 作者: べろせ
- 出版社/メーカー: 茜新社
- 発売日: 2018/07/30
- メディア: コミック
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俺、人類滅亡する話が好きなのかも。
『年刊日本SF傑作選』には取り上げられないだろうからw、ちょっと覚書。
4日後、小惑星の衝突による地球滅亡が不可避になった世界で互いを求め合う少年少女。
成年指定されてるから、そりゃ当然「露骨な性的表現」満載なわけですが、それよりも、頭ではそれを理解していても、肉体的に漏れ出てしまう生への渇望の吐露はエロ漫画ならでは。
滅亡確定が発表された直後は世界中が大騒ぎになったのは想像に難くない。でも、圧倒的絶望を叩きつけられ、すっかり騒ぎ疲れて、残ったのは日常に毛が生えた程度の乱痴気騒ぎ。空虚な前夜祭のような空気に包まれている世界の縮図として、主人公たちが通う高校の最後の日常が描かれる。
その最後の日常から逸脱した、最後の挑戦。
終末テーマとしては、平野耕太「彼らの週末」が似てるけど、破滅的衝動だけで描いたそれよりも、滅びを受け入れ、平穏にそれを待つ『渚にて』*1に匹敵する、と言ったら褒めすぎ?w いや、スペクタクルと一種厳かさ、そして青春さえも凝縮させたラストのコマは、過去の名作を超えているかも。
母親の実家に行ってしまった片想いの女の子に会いに行く短編なんだけど、正直、エロ漫画版『ひとめあなたに…』*2を描いて欲しい。
主人公たちが車で目的地に着くまでを、連作でまる一冊読みたいなぁ。
彼らとは違って滅亡を受け入れられない人々はいるだろうし、おまけマンガで描かれているような最期を選ぶ人、まさに鬼畜な所業(エロ的に)に走る人間もいるでしょう。
そんな様子を道すがら目撃していく感じで。
他の収録作だと「よく食べる龍ヶ崎さん」が好き。