Avril et le Monde Truque


『エイプリルと奇妙な世界』鑑賞


1941年、ナポレオンがフランス全土を統治している世界。この世界では、地球上から70年もの間全ての科学者が失踪していた。それにより、ラジオやテレビ、電気、宇宙、爆弾といった全ての人類の文明技術が停滞しており、19世紀に発明された石炭とスチームのみが活用されていた。この奇妙な世界で生きる少女、「エイプリル」は失踪した科学者である両親を探し、飼い猫のダーウィンと町の不良ジュリウスと捜索の旅に。果たして3人はこの世界の秘密を暴けるのだろうか。科学者達を誘拐した犯人は?そしてその目的は?

東京アニメアワードフェスティバル2017」(TAAF)で鑑賞。
ヴィジュアル監督のジャック・タルディは、『アデル』*1の原作者でもあるんだけど、『汚れた戦争』*2塹壕の戦争』*3の人?


これは!
 

蒸気と煤が立ち込める2本のエッフェル塔


以前、トレーラーが公開したときにチェックしていた人でも、上映期間が短かったから見逃した人は多いんじゃないかなぁ。
とにかく、スチームパンククラスタは必見。


スチームパンクの二大要素は、分岐した世界線と大仰なガジェットだと思う。
この作品において、後者は満点。
てっきり、冒頭に出てくるフランス−ベルリン間を結ぶでかいケーブルカーが空中戦艦か何かで、それに乗って冒険する話かと思っていたら、あっさり爆発。
登場するスチームパンクマシンがどれもカッコイイのに、登場するなり惜しげもなく破壊されるのが特徴w
おじいちゃんの家はもうちょい見たかったなぁ。
敵の無意味なスーツもいい。人型じゃなくてもいいじゃんw


では、前者はどうかというと、これがスチームパンクガジェット及びストーリーと不可分になっていて、素晴らしい。
普仏戦争が講和によって集結し、ナポレオン3世の帝政が続いている世界。
その講和の原因こそが科学技術が停滞して、スチームに頼っている設定につながっており、またそれによる森林資源を巡る戦争やマクガフィンたる薬品が全て、世界を歪めた発端に収束していく。
一瞬しか映らなかったからよく見えなかったんだけど、自由の女神じゃなくて(アメリカとフランスが戦争中だから)カウボーイみたいな像が立ってた気がするんだけど、誰かご教授お願いします。


主人公のエイプリルが美人じゃないのもいいw


ラストは、ちょっと『パヴァーヌ*4を思い出した。


これは日本でもソフト化して、恒久的に鑑賞できるようにして欲しいなぁ。
とにかくオススメ。