THE LAMPLIGHTERS

『断頭島』フレイザー・リー〈竹書房文庫〉

「これは通常の仕事ではありません。地中海の島で贅沢に暮らしてほしいと言われたら、問題はありますか?」家賃が払えず、アパートメントを追い出されたマーラは最高の仕事を見つけた――。億万長者が所有する島の管理人“点灯員"だ。簡単な仕事に破格の給料。しかしその島は、生きて出た者はいない恐ろしい場所だった……。外界と隔てられた孤島で巻き起こる、全米震撼のホラー!

タイトルに偽りあり!
そこから想起させるような丸太描写は登場せず。


島の目的は何か? そこに潜む殺人鬼の正体は? 灯台守の老人はいつからいるのか? 主人公たちは島から逃れられるのか!?
と幾つもの謎が推進力になっていながら、どうにもかったるい。リーダビリティもいいのに。


邦題から期待した首チョンパがポンポン出てくれると思いきや、それとは対象的な湿度の高いゴア描写がたまに出て来る程度。


物語が動き始めるのは終盤になってから。
島からの脱出方法が試され、殺人鬼と不気味な子どもが姿を現してからは面白い。特に子どもは非常にグロテスクで、作者のこの辺のためらいのなさは好感が持てるw 期待よりは少ない残酷描写も生理的嫌悪感を掻き立てられていい。こういうのをもっといっぱい書いてくれればよかったのに。
ラストは、かなり予想外の着地点。SF?
なぜか、『隠し部屋を査察して』*1の短編を思い出したんだけど、なんでんだろ? 神経を引っ張り出されて改造される感じ?