Empire of Imagination

最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜

最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜

『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜』マイケル・ウィットワー 〈ボーンデジタル〉

本書は人類史上有数の影響力を持ったRPGダンジョンズ&ドラゴンズ』(D&D)を作った人物の物語である。
一九七四年、アメリカ合衆国ウィスコンシン州の小さな町の靴の修理屋が、一つのアイデアに行き当った。そのアイデアは世界の大衆文化を永遠に変えてしまうものだった。それがすなわちロールプレイング・ゲームRPG)。
靴の修理屋の名前はゲイリー・ガイギャックス、彼の作ったゲームは『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(D&D)という。数年のうちにD&Dは世界中で流行した。だがそこへ次々と災難がふりかかる。
「D&Dには心理学上の危険がある」という恐ろしい告発。D&Dと悪魔崇拝を結びつける主張。金のかかる裁判沙汰。社内抗争。経営ミス。これらすべての結果、D&Dそれ自体はついに完全に世の中の主流となるには至らない。けれども、この見過ごされやすく、誤解されやすいゲームは、以前に思われていたよりも大きな影響を世界に及ぼしていたのだ……。

RPGという言葉ができた経緯をご存知?


テーブルトークには触れたことはないんだけど(メタルフィギュアは集めてたけど)、ジャンルフィクションを愛好するものとして、当然、D&Dは知っている。


D&D的エッセンスが、後のゲームや映画に影響大、というのも首肯できる。


でも、ふと思い返すと、D&Dを創った人間がいるということを全く考えたことがない。
当たり前のように(ジャンルフィクションの世界では)、それは意識するより前から存在していた。


それを創ったのが、永遠のゲームキッズ、ゲイリー・ガイギャックス。
ゲーム界のビッグネームファンが、どうやって世界を変えるようなゲームを作り、様々な騒動に巻き込まれ、そして、会社を失ったのか。幼年期から晩年まで、彼の人生が描かれている。


ゲームやりすぎで奥さんに浮気疑われたり、ウォーゲームの集会を怪しまれて軍諜報部が忍びこんだり、魔法使いが活躍するゲームなのにエホバの証人だったり、面白エピソード満載なんだけど、会社が大きくなってからは、やっぱり出てくる青少年への悪影響論やら権利問題、権力争いに財政危機、と波乱万丈。
でも、やはり面白いのは、D&D誕生前夜。
全くのゼロから誕生したわけではなく、個人的な印象では、カラオケに似てるかな。
ミニチュアを使ったゲームはあったし、対人で交渉するゲームもあったし、ファンタジー小説はそれこそたくさんあった。
それらをひとつに統合したのが、ゲイリー・ガイギャックス。ついでに、20面ダイスをゲームに持ち込んだのも。


スティーブ・ジャクソンイアン・リビングストンフリッツ・ライバーと見知った名前もちらほら。


ジャンルフィクションを愛好するなら、ぜひオススメ!


サイモン・ペッグ主演とかで映画化してくれないかなぁ。