ナイトランド・クォータリーvol.05 闇の探索者たち
- 作者: ニール・ゲイマン,キム・ニューマン,ジョン・ディクスン・カー,朝松健
- 出版社/メーカー: 書苑新社
- 発売日: 2016/05/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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翻訳は以下の5本。
「死と蜂蜜」ニール・ゲイマン
「砂漠の城――ドラキュラ紀元1977」キム・ニューマン
「目隠し頭巾」ジョン・ディクスン・カー
「嗜血症患者」ダイアン・フォーチュン
「泣き叫ぶ女」ウィリアム・ミークル
どれも読み応えあったけど、やっぱ、
今回の「砂漠の城」は〈ドラキュラ紀元〉という超高下駄を履かせなくとも、凄え面白い。
以前載った「血の約束」は第4部の序章だったので、(本当に)短かったけど、今回は普通の短篇のボリュームがあるので、ジャンルフィクションのサンプリングであるニューマン節が十分堪能できる。
ドラキュラ亡き後の吸血鬼たちの行動を知り、吸血鬼たちとポップカルチャーをミキシングしたアメリカ史を知り、シリーズ通してのあのキャラクターが健在であること知り、ラストで語り手である老探偵の正体を知って、ほくそ笑む。まぁ、訓練されたハードボイルド読者は冒頭で主人公の正体がわかるんだろうけどw
元SF作家の教祖が出てくるんだけど、彼は第4部の敵の一人なのか?
「ハワイから来た小柄な中国人」って誰? チャーリー・チャン? まさか『ハワイ5-0』ではないよね?
終盤で、いきなりレイチェルってキャラが出てくるけど、ラクウェルの書き間違い?
なんと、第5部が予定されてるそうで、早く第4部の全訳を!
ニール・ゲイマン「死と蜂蜜」は、引退したホームズが中国で探していたものと、最後に解決した「事件」とは?
(作中の)仮説を検証して、論理的に行動した結果だから、ホームズらしいのかもしれないけど、彼がこのラストを選ぶのが、どうも、あまり好きになれない。
でも、『ミスター・ホームズ 名探偵最後の事件』*1での行動を踏まえると、必然なのか。
「嗜血症患者」のダイアン・フォーチュンはオカルティスト。結構面白かったかな。
「泣き叫ぶ女」はカーナッキ・パスティーシュ。