Sherlock: The Abominable Bride


『SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁』鑑賞


ベネディクト・カンバーバッチ主演で世界的人気を誇る英BBCドラマ「SHERLOCK シャーロック」の特別編。舞台を現代から1895年ビクトリア朝のロンドンに移し描かれるスペシャルエピソードで、本国イギリスとアメリカでは2016年元日に放送される作品を、日本で劇場公開。映画館では「忌まわしき花嫁」本編(90分)に加え、特典映像として「脚本家スティーブン・モフ
21Bの旅」(5分)、「シャーロック製作の裏側 主要キャスト・スタッフとともに」(15分)が上映される。

何を書いてもネタバレになるなぁ……


個人的には、予想どおり。


シリーズ1〜3まで見てない方は、S3.5だと思って、全部見てから劇場に足を運ぶことを強くオススメします。
ドラえもん』とか『あぶない刑事』みたいな、TVと劇場版のような関係ではないので、これ単品で行くと、確実にちんぷんかんぷんなんることうけ合い。


レギュラーメンバーがヴィクトリアンな姿で出てくるのが、特別編ならではサービス。モリーは笑うでしょ?


以下、完全ネタバレ。


予告の時点で、いきなりヴィクトリア朝時代の話をやる必然性が感じられず、思考実験なんじゃないの? と思っていたら、やはりその通り。
予想外だったのは、完全にS3ラスト直後直結の物語で、S4までのつなぎという形。まぁ、本国じゃTVでやってるんだから当然だけど。
これを見なくても、多分、S4は困らないと思うけど、逆にS3まで見てないのに、これを見てもわからないと思う。
それとも、未解決の「忌まわしき花嫁」事件と、S4はリンクしていくのかな?


ヴィクトリア朝なら、ワトソンが結婚していても、奥さんに何も言わず、自分といつも一緒につるんでいられるんだけどなぁ、というシャーロックの妄想が「記憶の迷宮」内で実体を伴っているのがいじましいw


「記憶の迷宮」内での物語ということが明らかになってからが、悪夢的SFというか、クロスジャンル文学的というか、映像と嗜好が入り乱れて面白い。


TVシリーズの一編というのが、まぁ、特徴(というか)なんだけど、さんざん前述してきたことと矛盾するけど、これ単品ならではの大きな特徴がある。
それは、『SHERLOCK』そのものの構造にある。
この作品は、『シャーロック・ホームズ』が21世紀の物語だったら? という設定で、コナン・ドイルの小説は存在しない(よね?)。
しかし、『SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁』において、実は、この『SHERLOCK』が存在しないのかも、ということが提示される。
るなわち、「19世紀のシャーロックを思考実験する21世紀のシャーロック」を思考実験している19世紀のシャーロック・ホームズの物語かもしれない、というメタ構造!
確かに、21世紀の彼がライヘンバッハの滝での決闘を構築するのはおかしいよね。そこでジョンが助けに来てくれちゃうところにツンデレ的願望混じってるけどw


おまけでついてるメイキングも面白いですよ。


ますますS4楽しみになったけど、マーベル挟まるから、また間が空くだろうなぁ……