The Visit



『ヴィジット』鑑賞


シックス・センス」「サイン」のM・ナイト・シャマラン監督が、「パラノーマル・アクティビティ」「インシディアス」といった人気ホラー作品を手がけるプロデューサーのジェイソン・ブラムと初タッグを組んだスリラー。休暇を利用して祖父母の待つペンシルバニア州メインビルへとやってきた姉妹は、優しい祖父と料理上手な祖母に迎えられ、田舎町での穏やかな1週間を過ごすことに。祖父母からは、完璧な時間を過ごすためにも「楽しい時間を過ごすこと」「好きなものは遠慮なく食べること」「夜9時半以降は部屋から絶対に出ないこと」という3つの約束を守るように言い渡される。しかし、夜9時半を過ぎると家の中には異様な気配が漂い、不気味な物音が響き渡る。恐怖を覚えた2人は、開けてはいけないと言われた部屋のドアを開けてしまうが……。

シャマラン、パッとしなくなっちゃったなぁ……と呟くとき、区切りになった作品は人それぞれだと思う。
ただ、確実に、最近作『エアベンダー*1アフター・アース*2はシャマラン風味がまるでなかった、ということは多くの人に同意をもらえるはず。
ビッグバジェットは手に余る、という言い方はよくないかもしれないけど、多くの思惑が入ってくるから制御できず、結果、作家性が薄れちゃう監督だよね。


その点、今作はこじんまりとしていて、以前のシャマランらしい作品になってると思う。
そうだなぁ、『ヴィレッジ』*3のちょい下くらい? 『レディ・イン・ザ・ウォーター*4は片腕だけ鍛えてる人しか記憶にない……


POV形式というのもシャマラン作品としては珍しい。
改めて思ったのは、素人でもPOVは撮りやすいけど、極めて粗も出やすい。ところが、ちゃんとした映像作家がちゃんと撮ると、わざとらしさは著しく減ずるのね。
やっぱ上手いよ。


以下ネタバレ。


途中、ホントにナントカ星人の仕業だったらどうしよう、と思いつつ、ワクワクしたら、直球でサイコさんネタで、ちょっと肩透かし。
まぁ、考えると、今まで、キチガイオチってなかったけどね(キチガイはよく出てくるけど)


ただ、どんでん返しのどんでん返しを期待してたんで、こども二人の鏡恐怖症と潔癖症が、特に物語に関係ないのがなぁ。
てっきり、親に虐待されてた、とか、父親が家を出ていったことが関係してる、とか、期待しちゃうわけですよw
あくまで、彼らの一週間の冒険と成長を描いた物語、ということかな。


POVだから信用できいない語り手として観ることも可能だけど、終盤の母のテーマの入れ方、ラストの髪を梳かしてるシーンを観る限りは、物語は映像どおりなのかなぁ。