GAMBA ガンバと仲間たち



『GAMBA ガンバと仲間たち』鑑賞


1975年放送のテレビアニメ版「ガンバの冒険」も人気を博した斎藤惇夫の名作児童小説「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」を、「STAND BY ME ドラえもん」の映像制作会社・白組が3DCGで新たにアニメ映画化したアドベンチャー。都会の片隅で楽しい毎日を送っていた街ネズミのガンバとマンプクは、世界一広いのは海であることを知り、まだ見ぬ海を目指して旅に出る。港にたどり着いた2匹が船乗りネズミの宴に参加していると、そこへ瀕死の島ネズミ・忠太が助けを求めにやって来る。敵が白イタチのノロイだと聞いた船乗りネズミたちは怖がって逃げ出してしまうが、ガンバは忠太を見捨てることができず立ち向かうことを決意。そんなガンバの姿に心を動かされたボーボやヨイショ、ガクシャ、イカサマ、マンプクも加わり、一行は船に乗って忠太の故郷を目指す。アニメ版「進撃の巨人」などで人気の声優・梶裕貴が主人公ガンバの声を演じるほか、「アナと雪の女王」の神田沙也加が忠太の姉・潮路役を担当し、劇中歌を披露。脚本は「ALWAYS 三丁目の夕日」の古沢良太

悪口は観てから言え、がモットーですが、今作はディスる気満々で映画館に足を運ぶ。


TV版*1を原作と呼ぶには憚りあるけど、小説*2を原作と言うにも、やはり旧アニメの印象は強すぎる。
もはや、全くサラの状態での感想を言うことはできないけど、とりあえず言えることは、「悪くないんじゃないでしょうか?」
原作小説は分厚く、TV版も26話と長い話を、それらを知ってる人間が観ても違和感ない程度にはよくまとめられてる。
ちょっと駆け足で、シーンをつなぐタメがまるでないから、2時間くらいあっても良かったと思うけど、子供向けなら90分は限度かなぁ。


せっかくCGなんだから、人間的すぎるネズミのシルエットは本物に寄せて欲しかったけど、ノロイのディフォルメされたプロポーションがかなりいいだけだけに、その塩梅は難しいね。


そのノロイはジャック・スケリントンみたいで、それはそれで悪くないんだけど、ホロコースト感と絶対的な絶望と悪の権化として描かれたTV版の迫力には遠く及ばない。そのカウンターとしてのデザインなんだろうけど、割と早く出てきちゃうし、圧力はない。
TV版は半年間の放映で、ノロイの姿形声が明らかになるまで引っ張って、満を持しての登場だからそのアドバンテージは強い。
また、ネズミたちが狭い岩穴に閉じ込められる様子も、TVだと数週間にわたって描かれるから、息苦しさと、やっと島に渡れる開放感も実感できるけど、映画はとにかくそのへんが速いんだよなぁ。イタチとの激戦もさくっとしてるし。
やっぱ、あと30分欲しかった。


そういや、ノロイがガンバの名前を知ってたのはなんで?
あれは、カットされた、裏切り者がいるという脚本の名残とか?


キャラクターは、やはり15匹出すわけにも行かず、TV版からシジンをオミットし、原作からマンプクが繰り上がりw
ここで、マンプクとボーボが併存してる時点で、「ああ、泣き要員ね」と訓練されたガンバ者ならわかるわけですよw
デザインは比べちゃいけないけど、やはり長年見て育ったTV版と違う……という感想を持っちゃう(小説の挿絵は単なるネズミだけどな)
ガンバ、マンプク、ボーボは特にコメント無し。
ガクシャのクール改変はイイんじゃないかなぁ。ヤン提督からケスラーって感じw
ヨイショは隻眼にして欲しかったんだけど、まずいの?
一番の問題は、イカサマ。TV版は完全に木枯し紋次郎なんだけど、今回のワイルド系はなに? それは置いといても、サイコロ振るシーンが全然ないのはいかんでしょ。せっかくボーボがいるんだから、TV版にはなかったサイコロ占いは入れるべきだと思うんだよなぁ。