水玉螢之丞調査作業要領

入稿したので、雑文をつらつらと。


なんの因果か(単なる趣味)、水玉螢之丞さんの雑誌連載をひたすら追い続ける半年でした。
経緯は端折りますが、一人の作家をここまで追うのは、短くないオタク人生でも初めてのこと。
亡くなってしまったので、こう書くのはよくないと思うのですが、毎週浴びるように水玉さんの新連載(主観的に)を読めて幸せだったし、調査作業はほんとに楽しかった。


今後、単行本にまとまってない作家のことを調べようとする人(あんまりいないと思うけど、書誌好きとして皆無だとは思いたくない)のための覚書。


大原則として、第一次資料にあたれ、ということ。これは、未収録記事調査にかぎらず、当然のこと。
水玉さんの原稿やご自身による雑誌切抜を拝見できるという僥倖に恵まれたり、以前集めた自分のコレクションが多少あったけど、それはアドバンテージになるだけで、絶対条件ではない。
基本は図書館で調査。
今回は、国会図書館国際子ども図書館横浜市立中央図書館、都立多摩図書館、久喜図書館、大阪府立図書館、大阪市立中央図書館、などを利用。


この半年で身にしみたのは、インターネットの情報と人の記憶ほどあやふやなものはないということ。
インターネットはツールとして利用すべきだけど、信じるべからず。
まずはネットで検索して、情報を集めていったんだけど、特に水玉さんの場合、どこかで見てる可能性が高いので、雑誌か時期か、何かと勘違いしているケースが非常に多い。
拾った情報を、いざ図書館で調べても、そこに載ってないんだよね。可能性を排除するという意味では、無価値な作業ではないんだけど、テンションだだ下がりw


ある程度調査が進んだら、インターネットよりは、自分の勘の方が信じられるかも。
載ってそうな雑誌、載ってそうなページがなんとなくわかるw
あるいは、載ってそうと思って請求したものの、ページを開いてすぐに載ってないと直感的わかったり。
ただ、水玉さんの場合、載ってなさそうな雑誌にも載ってるんだよなぁ。


イラストの場合、慣れてくれば、ページをめくっていて目が止まるようになるけど、周辺情報は必ずチェック。
水玉さんは本当にあちこちで描いているので、著者近況に同時期の連載が描いてあることは少なくないし、新装刊雑誌の広告を見つけて、そっちもあたってみると、やっぱり載ってたり。


連載が多い作家を調べるなら、簡単な年譜を作るのも有効。
そこから見えてくるものもある。


自分の調査結果だけを信じる、と同時に、それさえも疑って、余裕があるなら、調べ直すこと。高確率で、メモした日付やページ数なんかを書き間違えてる。


ネットを信じるな、と前記したけど、漠然とした情報集めではなく、確度の高い情報を自分が所持していて、その情報を募るにはかなり有用。
Twitterで画像を貼って、それがなんなのか【募集】すると、結構コメントくれる人がいて、効率良く見つけることができたのはありがたかった。


国会図書館は実は未所蔵が多いので、そうなると他の図書館や、それでもないなら、古本屋、ヤフオクに頼るしかない。
このへんまで来ると、意外な出会いがあるものですw
自分が調べていることを、しつこくアピールし続けるのも大事。


執拗に、粘着質的に、ひたすら調べ続けるが、結局、書誌完成の近道かな。