寄生獣 完結編



『寄生獣 完結編』鑑賞


永遠の0」の山崎貴監督が、岩明均の人気コミック「寄生獣」を実写映画化した2部作の後編。右手に寄生生物ミギーを宿した高校生・泉新一の暮らす東福山市は、広川市長を中心に組織化されたパラサイトたちが一大ネットワークを構築。寄生生物殲滅を目指す人間側も、対パラサイト特殊部隊を結成して奇襲作戦の準備を進めていた。一方、人間の子を産み、人間との共存を模索するパラサイト・田宮良子は、ミギーと共生する高校生・泉新一の存在に、その可能性を見出していたが、新一は母親を殺されたことをきっかけに寄生生物への憎しみを募らせていた。そんな彼らの前に、最強のパラサイト・後藤が現れる。

田宮良子、人前でミギーなんて呼んだらダメじゃん!


ネタバレ感想。
みんな、原作は読んでるだろうからいいよね。


酷評するつもりはないですよ。
二部作通して、及第点以上の出来にはなってると思う。
映画世界内の整合性はとれてるし、原作知らない人でもちゃんと筋が追える。
「前編」ラストの驚愕の改変から予想できたように、「母の愛」「慈愛」を軸に物語が組み立てられている。原作厨的に比較しちゃうとアレだけど、映画単品でなら、まぁ、わかりやすいし、仕方ないかな。


10巻の漫画を、前後編4時間にまとめるにはそれなりの改変、オミットが必要なのは当然だけど、それもいちいち目くじら立てるほどのこともない……はず。


市役所戦と田宮良子の最期を同時進行の出来事にした改変は、アリだと思うんだよね。尺の短縮になるし、市役所に新一がいる必要性はそんなに高くないし。
ただ、原作での外せないシーンをつなげて、全体の整合性を保つために、細部の整合性がとれてないんだよなぁ。
原作からの引き算のやり方が下手。時間の帳尻合わせのためだけの省略にしか見えない。


例えば、

特に狙ったわけでなく、後藤の脇腹に鉄棒突き刺す。

よって、脇腹に血が付いていた描写はいらない。

よって、全身がパラサイトで覆われている説明もいらない

という感じ。
こういうオミットのしかたはよくないと思うんだよなぁ。
後藤があまり変形しないのも残念。


また、美津代さんが出てこないので、新一と後藤の再戦に必然性をつける必要がある。
それが、新一の右腕にわすかに残ったミギーの細胞を後藤が感知できるという改変。
そんな僅かな細胞がわかるなら、田宮良子vsパラサイト三人組は、あの攻撃も気づいたんじゃないの?


あと、市役所戦の時間軸の改変は悪く無いといったものの、なんで市役所を制圧したのか理由が一切語られない。「前編」でも言ってないよね?


田宮良子が笑うのそこ? とか色々あるんだけど、一番許せないのは、あのミギーのラストのセリフの改変。
アレはないわ。


やたらに三部作にするのも何だと思うけど、これは三部作構成にしたほうが良かったんじゃないかなぁ。
市役所戦を二部のクライマックスに持ってきて。


俳優陣はみんな良かったですよ。
特に三木。というか、ピエール瀧、使いすぎじゃね?


ついでに、アニメ版の話もちょっと。
あれって、映画のタイアップの意味もあったんだよね? 日テレだし。
でも、基本のスジは一緒なんだから、あんまりプラスになってるとは思えないんだけど。
特に、平野ミギーが際立ってよかっただけに比較しちゃう。
ちなみに、アニメ版の加奈があまりにも可愛かったので、新一が彼女に乗り換えて、実は助かる世界線なんじゃないかとギリギリまで信じてましたw

寄生獣 セイの格率 Blu-ray BOX I

寄生獣 セイの格率 Blu-ray BOX I

寄生獣 セイの格率 Blu-ray BOX ?

寄生獣 セイの格率 Blu-ray BOX ?