Julia



『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ アナザー』鑑賞


レイプ被害に遭った女性の壮絶な復讐劇を、「ムカデ人間」のアシュリー・C・ウィリアムス主演で描いたバイオレンススリラー。レイプによって心身ともに傷つけられ自殺まで考えたジュリアは、謎の女サディに導かれ、男たちへの復讐を決意する。それまでの地味な姿から魅惑的な女性へと変貌を遂げたジュリアは、男たちを誘惑しては彼らが絶頂に達した瞬間に命を奪うという恐ろしい計画を次々と実行していく。サディ役に「ウルヴァリン X-MEN ZERO」のタヒーナ・トッツィ。監督・脚本は、本作が長編デビューとなるマシュー・A・ブラウン。2015年1〜2月にヒューマントラストシネマ渋谷で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2015」上映作品。

著しく、誤解を受ける感想になりそうだなぁw


わかる人にはわかる、わかない人は一生わからに方がよろしい「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ」という題名。
これを冠している作品とあらば期待しちゃうじゃない。
性犯罪と虐待には、ハムラビ法典を適用すべきだと思っているので、レイプ・リベンジものは大好きなんだよね(やはり誤解を招きそう……)


ところが、この作品は大ハズレ。


まず、裸がほとんど出てこない。
主人公の女性が、いかにヒドいことをされたか映すことによって、レイパーどもをどんだけ残酷に罰してもいいという免罪符が得られる。
でも、この作品はレイプシーンも殆ど無いし、そもそも、単純にエロと残酷の見世物映画なんだからさぁ。


この作品の一番の問題は、主人公の行動原理がよくわかんないんだよね。
レイプによる心の傷を癒やすために、必殺仕事人的な秘密結社に入るのはいいんだけど、まず練習台として、バーでハニートラップに引っかかった男を生きたまま性器切り取って、メッタ刺しにして殺すってどういうこと!?
この男が、殺されるに値する罪を犯しているのかどうかの描写がなから、完全に殺人鬼にしか見えないし、レイプされた悲惨な女性、というのが吹き飛んじゃう。むしろ、単なる浮気男にこんなことするなんて、この女最悪じゃん、という印象になってしまう。
それに対して、目標であるレイプ犯に対する罰は生ぬるいしなぁ。


こういう紛らわしい邦題はやめていただきたい!とここに力説する。