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藍色の瞳の女神と戯れて (扶桑社ロマンス)

藍色の瞳の女神と戯れて (扶桑社ロマンス)

『藍色の瞳の女神と戯れて』ナリーニ・シン〈扶桑社ロマンスシ27-9〉

パラノーマル・ロマンス〈サイ=チェンジリング〉シリーズ第9弾!狼チェンジリング〈スノーダンサー〉の副官インディゴは、4歳年下の仲間で群れの“追跡者”であるアンドリューから、熱い求愛を受けてとまどう。群れで上位に属する支配的なタイプの自分が、彼と付き合ってもうまくいくはずがない。だが拒絶されてなお、インディゴを伴侶として求めるアンドリューの想いは変わらなかった。魅力あふれる情熱的な求愛はいつしか気高い女狼の心をとらえ……巻末には特別短編を収録!

シリーズも、もう9冊目。
1巻が出てはそのままフェードアウトしていくパラロマが多い中、このシリーズはSF的設定での物語が際立って面白く、三種族が暮らす世界(パラノーマル)とそこでのロマンスとシリーズを通しての物語が乖離していないことが成功の要因。


作品内世界では種族を超えたペアは当然過半数ではない(と思う)けど、小説としてはほとんどが種族間恋愛を描いている。
その方が、乗り越えるべき障壁が目に見えた形でドラマにしやすいからね。


純潔性を保ちたいサイにとっては、シリーズ主人公ペアは、結果的に社会システムに変革させてしまう恐れのある存在。要するに、ドラスティックではないけど、セカイ系なんだよね。


そんな中、今回は珍しく狼同士のペア。序列を絶対視する彼らの中で、部下の男というのが障壁なんだけど、所詮狼同士なので、イレギュラーなカップルでも社会に及ぼす影響はない。
だから、ロマンス外の物語も、陰謀もちょっと小ぶり。はぐれたサイが町に集まり始め、サイ評議会も分裂し、今後の波乱に向けてお膳立てしている。10巻は激動な上、ボリュームもあるらしいので、中休みかな。


早く、鳥のチェンジリングの話やらないかなぁ。